戸籍の種類まとめ|謄本・抄本・全部・個人・附票・除票の違いを解説

この記事で分かること
- 戸籍の種類の全体像(謄本・抄本・除籍・原戸籍)
- 「全部事項証明書」「個人事項証明書」という現在の正式名称
- 戸籍の附票と住民票の除票の役割
- どの場面でどの種類が必要になるか
戸籍に関する書類は、「謄本」「抄本」「全部事項証明書」「附票」「除票」など名前が多く、どれが何を証明するのか分かりにくいものです。相続や家系図づくりで戸籍をそろえようとして、種類の多さに戸惑った方も多いのではないでしょうか。
分かりにくさの正体は、呼び名が2系統あることです。「謄本/抄本」は紙で戸籍を写していた時代の呼び方、「全部事項証明書/個人事項証明書」はコンピュータ化後の正式名称で、指しているものは同じです。ここが重なると分かれば、残りは「現在の戸籍か、過去の戸籍か」「身分の記録か、住所の記録か」という2つの軸で整理できます。
目次
戸籍の種類の全体像|まず一覧で押さえる
戸籍に関する主な書類は、次のように整理できます。まずは一覧で全体像をつかみましょう。
| 種類 | 現在の正式名称 | どんな書類か |
|---|---|---|
| 戸籍謄本 | 戸籍全部事項証明書 | 戸籍内の全員を写したもの |
| 戸籍抄本 | 戸籍個人事項証明書 | 戸籍内の特定の一人を写したもの |
| 除籍謄本・抄本 | 除籍全部・個人事項証明書 | 全員が抜けた戸籍を写したもの |
| 改製原戸籍 | (改製原戸籍) | 様式変更前の古い戸籍 |
| 戸籍の附票 | (戸籍の附票) | 住所の履歴を記録したもの |
| 住民票の除票 | (住民票の除票) | 消除された住民票 |
大きく分けると、①今ある戸籍を写したもの(謄本・抄本)、②過去の戸籍を写したもの(除籍・改製原戸籍)、③戸籍に付随する記録(附票・除票)の3グループです。順に見ていきましょう。
戸籍謄本と抄本の違い|全部事項証明書と個人事項証明書

もっとも基本となるのが、現在の戸籍を写した謄本と抄本です。違いは「誰の分が載るか」の一点です。
- 戸籍謄本(全部事項証明書) — 戸籍内の全員を写したものです。家族全員の関係を証明できます。
- 戸籍抄本(個人事項証明書) — 戸籍内の特定の一人を写したものです。本人の分だけを示せます。
除籍謄本と改製原戸籍|過去の戸籍を写したもの
相続や家系図づくりでは、現在の戸籍だけでなく、過去の戸籍が必要になります。代表的なのが除籍謄本と改製原戸籍です。
下の図のように、祖父母の世代がすでに亡くなっている場合、その記録は現在の戸籍ではなく、除籍謄本や改製原戸籍にさかのぼって残っています。
- 除籍謄本・抄本 — 結婚・死亡・転籍などで全員が抜けた戸籍を写したものです。亡くなった方はその戸籍から除かれ、在籍者全員がいなくなると戸籍ごと除籍になります。くわしくは除籍謄本とはをご覧ください。
- 改製原戸籍(原戸籍) — 法改正で様式が変わる前の古い戸籍です。新しい戸籍には省かれた記録が残っていることがあります。読み方は原戸籍の読み方、様式の歴史は古い戸籍の種類と歴史で解説しています。
戸籍の附票と住民票の除票|住所の履歴を示す書類
戸籍そのものではありませんが、戸籍や住民票に付随して住所の履歴を示す書類もあります。相続の手続きで求められることがあります。
- 戸籍の附票 — その戸籍がある間の住所の移り変わりを記録したものです。本籍地で戸籍とともに管理されます。くわしくは戸籍の附票とはをご覧ください。
- 住民票の除票 — 転出や死亡などで消除された住民票です。亡くなった方の最後の住所を証明するときなどに使われます。
どの場面でどの戸籍が必要か|目的別の早見表
最後に、よくある場面ごとに必要になりやすい戸籍の種類を整理します。
| 場面 | 必要になりやすい種類 |
|---|---|
| パスポート申請 | 戸籍謄本(全部事項証明書) |
| 本人の届出 | 謄本または抄本(提出先による) |
| 相続(相続人の確定) | 出生から死亡までの戸籍謄本・除籍・改製原戸籍 |
| 亡くなった方の住所の証明 | 戸籍の附票・住民票の除票 |
| 家系図づくり・先祖調べ | 除籍謄本・改製原戸籍 |
集めた戸籍から家族の関係を整理したいときは、家系図にまとめると一目で分かります。本サイトの家系図エディタは登録不要で、戸籍から読み取った続柄をそのまま図にできます。
戸籍を集めた後に家系図へ起こす流れは、戸籍から家系図を作る方法・調べ方でまとめています。
場面別|請求する戸籍の種類の選び方
必要な種類は、目的から逆算すると迷いません。
- パスポート申請・婚姻届など本人の手続き — 現在の戸籍謄本(全部事項証明書)。抄本でよい場合は提出先がそう指定します。
- 相続手続き — 亡くなった方の出生から死亡までがつながる戸籍。現在の戸籍から除籍謄本・改製原戸籍へさかのぼって集めます。
- 相続登記で住所のつながりを示す — 戸籍の附票、または住民票の除票を使います。
- 家系図づくり — 直系をたどれる範囲の謄本。抄本は一人分しか載らないため、関係を読み取る用途には向きません。
迷ったときは、提出先の指定が最優先です。「謄本で」と言われている場面では、抄本では受け付けられません。
よくある質問
戸籍謄本と全部事項証明書は別のものですか?
除籍謄本と改製原戸籍はどう違いますか?
戸籍の附票と住民票の除票は何が違いますか?
相続にはどの種類の戸籍が必要ですか?
家系図づくりにはどの戸籍を取ればよいですか?
AUTHOR
家系図マニア
祖父の連絡先を探して戸籍をたどった経験から、家系図を作りはじめました。家族のつながりも、歴史上の一族や物語の関係図も、自分の手でたどれる入口にしたいと考えて個人で運営しています。行政書士・司法書士などの資格は持たないため、法的な判断が必要な場合は専門家への相談をおすすめしています。