原戸籍(改製原戸籍)の読み方|戸籍謄本との違いと見方を解説

最終更新 by 家系図マニア
戸籍相続家系図
原戸籍(改製原戸籍)の読み方|戸籍謄本との違いと見方を解説

この記事で分かること

  • 原戸籍(改製原戸籍)とは|戸籍謄本・除籍謄本との違い
  • 「原戸籍」の読み方|げんこせき・はらこせきと呼ぶ理由
  • 改製原戸籍が生まれる仕組み|戸籍法改正とコンピュータ化
  • 縦書き・手書き・旧字体など古い戸籍を読むコツ
  • 原戸籍から家系図を起こす手順

相続の手続きで「原戸籍も取ってください」と言われ、受け取った古い戸籍が縦書きで手書き、しかも旧字体——どこをどう読めばいいのか戸惑った方は多いのではないでしょうか。原戸籍は、ふだん目にする戸籍謄本とは様式も読み方も異なります。

押さえておきたいのは、改製のときにすべての情報が新しい戸籍へ転記されるわけではないという点です。すでに他の戸籍へ移った子や、離婚で除かれた配偶者の記載は、新しい戸籍には引き継がれません。だからこそ相続では原戸籍まで求められ、家系図づくりでは原戸籍にしか残っていない事実が見つかります。読みにくい古い紙をわざわざ取り寄せる理由は、そこにあります。

改製原戸籍からたどった直系3代の家系図
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改製原戸籍をさかのぼると、祖父母・父母・本人の直系がつながります。亡くなった祖父母は二重枠の故人として表し、親子は実線、夫婦は二重線で結んでいます。

原戸籍(改製原戸籍)とは|戸籍謄本・除籍謄本との違い

原戸籍(はらこせき)とは、正式には改製原戸籍(かいせいげんこせき)といい、法改正などで戸籍の様式が新しく作り変えられたときに、使われなくなった「ひとつ前の戸籍」のことです。新しい戸籍に書き替える作業を「戸籍の改製(かいせい)」と呼び、その改製の原(もと)になった戸籍なので「改製原戸籍」といいます。

ふだん相続や各種手続きで使う戸籍は、大きく次の3つに分けて考えると整理しやすくなります。

種類 読み方 どんな戸籍か
戸籍謄本(全部事項証明書) こせきとうほん 現在使われている最新の戸籍
改製原戸籍(原戸籍) かいせいげんこせき 改製で作り変えられる前の古い戸籍
除籍謄本 じょせきとうほん 全員が抜けて閉じられた戸籍

戸籍謄本が「最新版」だとすれば、改製原戸籍は「改製される前の旧バージョン」にあたります。よく似た除籍謄本は、結婚や死亡などで在籍者が全員いなくなり、戸籍そのものが閉じられたものを指します。改製原戸籍は「様式が変わって役目を終えた戸籍」、除籍謄本は「人がいなくなって閉じた戸籍」と、閉じられた理由で区別すると分かりやすいでしょう。

「原戸籍」の読み方|げんこせき・はらこせきと呼ぶ理由

原戸籍から読み取った家族関係を整理した和モダンな家系図の図解

「原戸籍」は、文字どおりに読めば「げんこせき」です。改製原戸籍も正式には「かいせいげんこせき」と読みます。ところが実務の現場では「はらこせき」「かいせいはらこせき」と呼ばれることが多く、役所の窓口でもこの読みが通じます。

なぜ「はらこせき」と読むのでしょうか。理由は、「げんこせき」と発音すると、現在の戸籍を指す「現戸籍(げんこせき)」と聞き分けがつかないからです。電話や口頭でやり取りする相続の現場では取り違えが起きやすいため、「原(はら)」と訓読みにして区別しているわけです。

表記 読み方 使われ方
原戸籍 げんこせき 正式な音読み
原戸籍 はらこせき 「現戸籍」と区別する実務上の読み
改製原戸籍 かいせいげんこせき 正式名称
改製原戸籍 かいせいはらこせき 窓口・実務で通じる読み

改製原戸籍が生まれる仕組み|戸籍法改正とコンピュータ化

改製原戸籍が生まれるのは、戸籍法の改正やコンピュータ化によって戸籍の様式が変わるたびです。様式が変わると、古い様式の戸籍はいったん閉じられ、新しい様式の戸籍へと作り替えられます。このとき閉じられた古いほうが、改製原戸籍として残ります。

戸籍は明治以降、何度か大きな改製を経ています。代表的なものを年代順に並べると、次のようになります。

改製の時期 区分 主な変更点
明治31年(1898年) 旧法戸籍 民法施行にともなう様式の整備
大正4年(1915年) 旧法戸籍 戸籍の様式変更
昭和23年(1948年)以降 新法戸籍 「家」制度の廃止。戸主中心から夫婦・親子単位へ
平成6年(1994年)以降 コンピュータ化 縦書き・紙の戸籍から横書き・電子データへ

このうち、相続でいま実際に手にすることが多いのは、おもに次の2種類です。

  • 昭和の改製原戸籍 — 昭和23年の戸籍法改正で、「家」を単位とする旧法戸籍から、夫婦と子を単位とする新しい戸籍へ改製される前の戸籍。戸主が筆頭に記され、その家の全員が記載されています。
  • 平成の改製原戸籍 — 平成6年の改正でコンピュータ化される前の、縦書きで紙の戸籍。市区町村ごとに作業時期が異なるため、改製の年は戸籍によって違います。

原戸籍の読み方・見方|縦書き・手書き・旧字体のコツ

原戸籍が読みにくいのは、現在の戸籍と様式そのものが違うからです。コンピュータ化前の戸籍は縦書きで、古いものは手書き(毛筆やペン書き)、文字も旧字体や昔のかなが使われています。つまずきやすいポイントを、順に押さえていきましょう。

縦書き・右から左に読む

改製原戸籍は縦書きで、行は右から左へと進みます。横書きの現在の戸籍に慣れていると戸惑いますが、まず右上の「本籍」と戸籍の代表者(昭和の改製原戸籍など旧法戸籍では「戸主」、平成の改製原戸籍では「筆頭者」と書かれます)を確認し、そこから左へ家族をたどっていくのが基本です。日付も「明治三十一年」のように漢数字の縦書きで書かれます。

手書き・くずし字に慣れる

古い戸籍は手書きのため、書き手の癖やくずし字で読みにくいことがあります。まずは読める文字から拾い、前後の文脈で埋めていくのがコツです。「明治」「大正」「昭和」の元号、「長男」「妻」「養子」といった続柄、「出生」「婚姻」「死亡」などの言葉は繰り返し登場するので、形で覚えてしまうと一気に読みやすくなります。

旧字体・変体仮名に注意する

人名や地名には、現在は使われない旧字体(齋・邊・廣など)や、昔のかな(変体仮名)が使われていることがあります。同じ人物でも戸籍によって字体が違う場合があるため、相続の場面では「同一人物かどうか」の判断が必要になることもあります。判読に迷う字は、無理に決めつけず、市区町村の窓口や専門家に確認すると安心です。

つまずきやすい点 原戸籍の特徴 読むときのコツ
文字の向き 縦書き・右から左 右上の戸主から左へたどる
筆記 手書き・くずし字 元号・続柄など定番語を形で覚える
文字種 旧字体・変体仮名 迷う字は窓口や専門家に確認

戸籍から人物をたどって家系図に起こす際の範囲の考え方は、家系図はどこまで載せる?範囲の決め方と4系統の考え方も参考になります。

原戸籍が相続で必要な理由|改製で消える記載に注意

相続の手続きでは、亡くなった方の「出生から死亡まで連続した戸籍」をそろえる必要があります。これは、相続人を確定するために、その人の生涯にわたる身分関係(結婚・離婚・子の出生・養子縁組など)をすべて確認しなければならないからです。

ここで原戸籍が欠かせなくなります。前述のとおり、改製のときには有効な事項だけが新しい戸籍に書き写され、改製前に除籍された子や、古い離婚・養子離縁などは転記されないことがあるからです。最新の戸籍謄本だけを見ても、過去にいた相続人を見落としてしまうおそれがあります。

  • 改製前に独立・結婚した子 — 改製時にすでに別の戸籍へ移っていると、新しい戸籍には載りません。
  • 古い離婚・養子縁組の履歴 — 効力を失った事項は転記されないことがあります。
  • 認知した子 — 過去の認知が原戸籍にだけ残っている場合があります。

相続で誰が法定相続人になるかは、続柄の理解とも深く関わります。親族の呼び方や続柄を整理したいときは、家系図で分かる親族の呼び方・続柄一覧が参考になります。

原戸籍から家系図を起こす方法|家系図エディタで関係を整理

原戸籍を読み解いたら、その内容を家系図の形に起こしておくことを強くおすすめします。縦書きの文字情報のままでは関係をつかみにくいものも、図にすれば「誰が誰の子で、いつ亡くなったか」が一目で分かるようになります。相続人の確認にも、家族へ残す記録にも役立ちます。

家系図に起こすときは、本サイトの記法(親子・夫婦・養子などを線の種類で描き分ける、一般的な家系図の記法を参考にしたもの)で線を描き分けると、関係が正確に伝わります。

関係 線種 原戸籍での読み取り方
親子 実線 「長男」「二女」など続柄の記載からたどる
夫婦(婚姻) 二重線 「婚姻」の記載と入籍の年月日で確認
離婚 二重線に斜線 「離婚」「除籍」の記載から読み取る
養子 破線 「養子」「養女」「縁組」の記載で区別

亡くなった方は、家系図でも故人として表します(二重枠などで示します)。原戸籍に「死亡」と年月日が記されている人物は、家系図でも故人として描くと、世代と没年の関係が整理できます。

本サイトの家系図エディタは、人物を並べて続柄を添え、親子(実線)・夫婦(二重線)・離婚(二重斜線)・養子(破線)を線で描き分けられます。故人の表現も選べるので、原戸籍から読み取った関係をそのまま図にできます。和紙・免許状風のテンプレートも用意していますので、仏壇に飾れる落ち着いた仕上がりにもできます。登録は不要で、ブラウザですぐに作れます。

戸籍を集めた後に家系図へ起こす流れは、戸籍から家系図を作る方法・調べ方でまとめています。

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親子・夫婦・養子を線で描き分け
故人の表現・和風テンプレートも選べる

家系図づくりの全体の流れや記号・線の意味は、家系図の書き方完全ガイド|記号・線のルールと作り方を図解にまとめています。

原戸籍を読むときにつまずきやすい点

一字ずつ読もうとすると必ず行き詰まります。実際に手が止まるのは、次のような場面です。

  • 読む向きを間違える — 縦書きで右から左へ進みます。左端の記載がいちばん古い、と勘違いすると関係が逆に見えます。
  • 「戸主」を現在の筆頭者と同じものだと思う — 戦前の戸主には家族を統率する法律上の立場がありました。単なる見出しである現在の筆頭者とは別のものです。
  • 転記されていない事実を見落とす — 改製前に他の戸籍へ移った人は、新しい戸籍には載りません。一代前の原戸籍まで取らないと、兄弟の存在に気づけないことがあります。
  • 読めない字を推測で埋めてしまう — 名前の旧字体は、後の手続きで別人と判断される元になります。判断に迷う字は、窓口や専門家に確認したほうが確実です。

古い戸籍は、骨組みから読み解けば全体はたどれます。まずは手元の1通で、直系をひとつだけさかのぼってみてください。

よくある質問

原戸籍は「げんこせき」と「はらこせき」のどちらが正しいですか?
正式な読み方は「げんこせき」で、改製原戸籍は「かいせいげんこせき」と読みます。ただし発音が「現戸籍(げんこせき)」と同じで紛らわしいため、相続実務や窓口では「はらこせき」「かいせいはらこせき」と訓読みで呼ぶのが一般的です。どちらも誤りではなく、聞き間違いを避けるための使い分けです。
原戸籍と戸籍謄本は何が違いますか?
戸籍謄本は現在使われている最新の戸籍で、原戸籍(改製原戸籍)は様式の改製で作り変えられる前の古い戸籍です。改製のときには有効な事項だけが新しい戸籍に書き写され、改製前に除籍された人や古い離婚・養子縁組などは転記されないことがあります。そのため、過去の相続人を確認するには原戸籍が必要になります。
改製原戸籍はなぜ作られるのですか?
戸籍法の改正やコンピュータ化によって戸籍の様式が変わると、古い様式の戸籍は閉じられ、新しい様式へ作り替えられます。このとき閉じられた古い戸籍が改製原戸籍です。明治31年・大正4年・昭和23年・平成6年などに大きな改製があり、いま手にすることが多いのは昭和の改製原戸籍と平成の改製原戸籍です。
原戸籍の縦書き・手書きが読めません。どう読めばよいですか?
改製原戸籍は縦書きで、行は右から左へ進みます。まず右上の本籍と戸籍の代表者(旧法戸籍では戸主、平成の改製原戸籍では筆頭者)を確認し、左へ家族をたどります。すべてを完璧に読もうとせず、「誰が・いつ・どうした(出生・婚姻・死亡など)」の3点を拾い読みするのがコツです。旧字体や変体仮名で迷う字は、市区町村の窓口や専門家に確認すると安心です。
広域交付で原戸籍は取れますか?
令和6年3月から始まった広域交付では、本籍地以外の窓口でも改製原戸籍や除籍謄本を請求できます。ただし、コンピュータ化されていない手書きの古い戸籍は広域交付の対象外で、本籍地でしか取れない場合があります。古い原戸籍が必要なときは、本籍地の市区町村への請求も検討してください。

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祖父の連絡先を探して戸籍をたどった経験から、家系図を作りはじめました。家族のつながりも、歴史上の一族や物語の関係図も、自分の手でたどれる入口にしたいと考えて個人で運営しています。行政書士・司法書士などの資格は持たないため、法的な判断が必要な場合は専門家への相談をおすすめしています。