戸籍の附票とは|住所の履歴を証明する書類と取り方を解説

「戸籍の附票(ふひょう)って何?」「住所の履歴を証明する書類が必要と言われたけれど、どこで取るの?」——戸籍の附票とは、その戸籍に入っている間の住所の移り変わりを記録した書類です。引っ越しを繰り返した場合の住所のつながりを証明でき、相続登記などの手続きで求められることがあります。
役割の切り分けで覚えると混乱しません。戸籍謄本が誰と誰がどういう関係かを証明する書類、住民票がいまどこに住んでいるかを証明する書類、そして附票がどこからどこへ移ったかを証明する書類です。相続登記で「登記簿の住所と現住所がつながらない」と言われる場面で必要になるのは、この3つ目です。
目次
戸籍の附票とは|住所の履歴を記録する書類
戸籍の附票とは、本籍地の市区町村が戸籍と一緒に保管している、住所の履歴の記録です。原則として、その戸籍が作られてから(またはその戸籍に入ってから)現在までの、住民登録上の住所の移り変わりが記録されていきます。
つまり戸籍の附票を見れば、「いつ・どこに住んでいたか」という住所の移り変わりを確認できます。引っ越しを何度も繰り返していても、住所のつながりを証明できるのが特徴です。
- 本籍地の市区町村が、戸籍とセットで管理する
- その戸籍にいる間の住民登録上の住所が記録される
- 住所のつながり(沿革)を証明できる
なお、住所の履歴をさかのぼると、戸籍と同じく家系の記録づくりにも役立ちます。戸籍から家系図を作る全体像は戸籍から家系図を作る方法|調べ方と戸籍の集め方で解説しています。
戸籍の附票と戸籍謄本・住民票の違い

戸籍の附票は、戸籍謄本や住民票としばしば混同されます。それぞれ記録する内容と管理する場所が異なります。
| 書類 | 記録する内容 | 管理する場所 |
|---|---|---|
| 戸籍の附票 | 住所の履歴(移り変わり) | 本籍地の市区町村 |
| 戸籍謄本 | 身分事項(出生・婚姻・死亡) | 本籍地の市区町村 |
| 住民票 | 現在の住所(世帯) | 住所地の市区町村 |
ポイントは次の3点です。
- 戸籍謄本との違い — 戸籍謄本は出生・婚姻・死亡といった身分の記録で、住所の履歴は載りません。住所のつながりは附票が担います。
- 住民票との違い — 住民票は今住んでいる住所が中心で、過去の住所をさかのぼるのには向きません。履歴を通して証明するなら附票です。
- 管理場所の違い — 附票と戸籍謄本は本籍地の役所、住民票は住所地の役所が管理します。
戸籍の附票の取り方|窓口・郵送・コンビニ
戸籍の附票は、戸籍謄本と同じく本籍地の市区町村で取得します。住所地(住民票のある役所)では取れない点に注意してください。
- 窓口 — 本籍地の市区町村窓口で、交付請求書と本人確認書類を提示して取得する
- 郵送 — 本籍地の役所へ、交付請求書・本人確認書類のコピー・定額小為替・返信用封筒を送る
- コンビニ — マイナンバーカードがあれば、本籍地が対応していればコンビニのマルチコピー機で取得できる
戸籍謄本の取り方とほぼ同じ流れです。窓口・郵送・コンビニの具体的な手順や必要書類は戸籍謄本の取り方|窓口・郵送・コンビニ・広域交付の方法を解説にまとめています。
相続登記で戸籍の附票が必要になる場面
戸籍の附票がよく求められるのが、相続登記(不動産の名義変更)の場面です。不動産の登記簿に記録された住所と、亡くなった方の最後の住所が一致しない場合に、住所のつながりを証明する書類として附票が使われます(住所の証明は戸籍ではなく、戸籍の附票や住民票除票が担います)。
- 登記簿上の住所と、住民票除票などで確認できる最後の住所がつながらないとき
- 引っ越しを繰り返していて、住所の沿革を示す必要があるとき
- 相続人の住所証明として求められる場合があるとき
このように、戸籍の附票は相続手続きで「人と住所を結ぶ」役割を果たします。相続を見据えて戸籍を集めるなら、戸籍謄本や除籍謄本とあわせて、附票が必要になるかを早めに確認しておくと手続きがスムーズです。
戸籍の附票は広域交付の対象外|取得時の注意点
ここがもっとも間違えやすいポイントです。2024年(令和6年)3月1日に始まった戸籍の広域交付では、戸籍の附票は取得できません。
広域交付で最寄りの窓口から取れるのは、戸籍謄本・除籍謄本・改製原戸籍といった「全部事項証明(謄本)」に限られます。戸籍の附票・戸籍抄本・除籍抄本・コンピュータ化されていない戸籍は対象外で、これらは従来どおり本籍地の市区町村へ請求する必要があります。
戸籍の附票から家系の住所をたどる方法
戸籍の附票は、相続手続きだけでなく、ご先祖が暮らした土地をたどる手がかりにもなります。住所の移り変わりは、家族の歩みそのものだからです。家系の記録に活かすときのポイントは3つです。
- 戸籍とセットで読む — 附票(住所)と戸籍(身分)を突き合わせ、いつ・どこで・誰が暮らしたかを整理します。
- 住所の沿革をメモする — 転居の年と住所を控えると、家族がたどった土地の記録になります。
- 家系図に土地の記憶を添える — 本籍や旧住所を家系図のメモに残すと、記録としての厚みが増します。
本サイトの家系図エディタは、本人を起点に直系を配置し、続柄・生没年に加えて本籍や旧住所などのメモを添えて整理できます。和紙・免許状風のテンプレートで仕上げられるので、戸籍や附票から読み取った家族の歩みを美しく残すのに向いています。登録は不要です。
なお、古い戸籍・附票の収集や読み解きが難しい場合は、行政書士などによる収集代行サービスを利用する方法もあります。
戸籍の附票が必要になる場面
附票は、日常の手続きでは登場しません。求められるのは、住所が動いたことで書類同士がつながらなくなった場面です。
- 相続登記 — 登記簿に記録された住所と、亡くなった方の最後の住所が違うとき、その間をつなぐ資料として求められます。
- 住民票の除票が取れないとき — 除票には保存期間があり、古い転出だと出てこないことがあります。そのとき附票が代わりになる場合があります。
- 相続税や各種手続きで住所の沿革を示すとき — 引っ越しを何度も重ねている場合、附票一枚で流れを示せます。
なお、附票は本籍地の市区町村が管理していて、広域交付の対象外です。ほかの戸籍を最寄りの窓口でまとめて取れても、附票だけは本籍地へ請求することになります。相続の準備で戸籍をそろえるときは、この1点を別枠で覚えておくと段取りが崩れません。
よくある質問
戸籍の附票とは何ですか?
戸籍の附票と住民票はどう違いますか?
戸籍の附票はどこで取れますか?
戸籍の附票は広域交付で取れますか?
相続でなぜ戸籍の附票が必要になるのですか?
AUTHOR
家系図マニア
祖父の連絡先を探して戸籍をたどった経験から、家系図を作りはじめました。家族のつながりも、歴史上の一族や物語の関係図も、自分の手でたどれる入口にしたいと考えて個人で運営しています。行政書士・司法書士などの資格は持たないため、法的な判断が必要な場合は専門家への相談をおすすめしています。