出生から死亡までの戸籍の集め方|相続で必要な遡り方を解説

相続手続きでは、被相続人の出生から死亡までの戸籍をひとつも欠かさずそろえる必要があります。理由は明快で、死亡時の戸籍だけでは前婚の子や認知した子、養子の有無が分からず、法定相続人を取りこぼす恐れがあるからです。集める戸籍は1通で終わることはまずなく、除籍謄本や改製原戸籍を何通も重ねて、ようやく出生時点までたどり着きます。
目次
出生から死亡までの戸籍とは|相続人確定と家系図に必要な理由
出生から死亡までの戸籍とは、被相続人が生まれてから亡くなるまでの身分の変化を、すき間なく記録した戸籍一式のことです。相続でこれが必要なのは、法定相続人をもれなく確定するためです。
人は一生のあいだに、出生・婚姻・離婚・養子縁組などで何度も戸籍を移ります。死亡時の戸籍だけでは、過去の婚姻でもうけた子や、認知した子、養子などが分からないことがあります。これらの相続人を見落とすと、遺産分割が無効になりかねません。だからこそ、出生まで連続してさかのぼった戸籍が必要になります。
出生から死亡までの戸籍の集め方|死亡時からさかのぼる手順

集めるときは、いちばん新しい(死亡時の)戸籍から、過去へさかのぼるのが基本です。
- まず、被相続人が亡くなったときに在籍していた戸籍(多くは除籍謄本)を、本籍地の市区町村で取得します。
- その戸籍の記載から、改製・転籍・婚姻などの手がかりを読み取り、一つ前の本籍地・筆頭者を確認して前の戸籍を請求します。
- 前の戸籍へ、さらに前の戸籍へとさかのぼり、被相続人の「出生」の記載がある戸籍に行き着くまで繰り返します。
戸籍をどうつなげてさかのぼるかは、戸籍の見方・つなげ方でくわしく解説しています。古い戸籍の文字が読めないときは、古い戸籍・くずし字の読み解き方も参考になります。
戸籍集めで迷いやすいポイント|本籍の分散と広域交付
連続した戸籍を集めるとき、つまずきやすいのは次の点です。
- 本籍が各地に分散している — 転籍を繰り返した方は、本籍が複数の市区町村にまたがり、それぞれに請求が必要です。
- どこまで遡れたか分かりにくい — 「出生」の記載に行き着いたかを、戸籍の記載で確認します。
- 古い戸籍が読みにくい — 明治・大正の戸籍は手書きで読みづらいことがあります。
戸籍収集を代行依頼する方法|専門家サービスの活用
「本籍が各地に分散していて手が回らない」「古い戸籍が読めない」「相続手続きを急いでいる」——そんな場合は、司法書士や行政書士などの専門家に、戸籍収集を代行してもらうこともできます。
専門家に依頼すると、分散した戸籍の請求や、出生までの遡りをまとめて任せられ、相続人の確定まで一貫してサポートを受けられます。手間と時間を大きく節約したい方には心強い選択肢です。
集めた戸籍を家系図にまとめる方法|家系図で一般的に使われる記法で作る
集めた戸籍は、家系図にまとめると相続人の関係が一目で分かり、遺産分割の話し合いにも役立ちます。続柄を家系図で一般的に使われる関係線に置き換えるのが基本です。
- 親子 — 実線で結びます。
- 配偶者(婚姻) — 二重線で結びます。
- 離婚(元配偶者) — 二重斜線で表します。前婚の子も実線でつなぎます。
- 養子 — 破線で結び、実親子(実線)と区別します。
亡くなった方は二重枠(故人)で表します。線の意味は家系図の記号・線の意味でも図解しています。本サイトの家系図エディタなら、これらの記号や関係線を選ぶだけで引けるので、集めた戸籍をもとに相続関係図を手早く作れます。登録は不要で、ブラウザですぐに使えます。
戸籍を集めた後に家系図へ起こす流れは、戸籍から家系図を作る方法・調べ方でまとめています。
家系図づくりの全体像は、家系図の書き方完全ガイドもご覧ください。
出生から死亡までの戸籍を集めたあとにやること
戸籍がそろったら、次は次の作業に移ります。
- 集めた戸籍から相続人を洗い出し、続柄と生死を一覧に整理する
- 遺産分割協議書や金融機関・法務局への提出書類と、戸籍の記載内容に齟齬がないか照合する
- 本籍の分散や読み取りづらい記載が残っている場合は、司法書士・行政書士への相談を検討する
- 整理した相続人関係を家系図にまとめ、話し合いの土台として共有する
出生から死亡までの戸籍をそろえる作業自体は一度きりですが、そこから先の手続きに活かせるかどうかは整理の仕方次第です。
よくある質問
なぜ出生から死亡までの戸籍が必要なのですか?
戸籍はどの順番で集めますか?
戸籍は1通だけでは足りませんか?
戸籍集めは自分でできますか?代行も頼めますか?
集めた戸籍は家系図にできますか?
AUTHOR
家系図マニア
祖父の連絡先を探して戸籍をたどった経験から、家系図を作りはじめました。家族のつながりも、歴史上の一族や物語の関係図も、自分の手でたどれる入口にしたいと考えて個人で運営しています。行政書士・司法書士などの資格は持たないため、法的な判断が必要な場合は専門家への相談をおすすめしています。