除籍謄本とは?取り方・使い道と戸籍謄本との違いを家系図で解説

相続の手続きで「除籍謄本(じょせきとうほん)を用意してください」と言われ、戸籍謄本と何が違うのか戸惑った方は多いのではないでしょうか。除籍謄本は、先祖をたどって家系図を作るときにも欠かせない大切な資料です。
違いは、その戸籍にまだ誰か残っているかだけです。死亡・婚姻・転籍で在籍者が全員いなくなると、その戸籍は閉じられて「除籍」になります。中身が特別なわけではなく、閉じられた戸籍の写しだから名前が変わる、というだけのことです。そして先祖をたどる作業は、この閉じられた戸籍を一代ずつ開いていく作業になります。
目次
除籍謄本とは|意味と戸籍に誰もいなくなった状態
除籍謄本とは、在籍していた人が全員いなくなった戸籍の写しです。ひとつの戸籍に記載された人が、死亡・婚姻・転籍(本籍を移すこと)などの理由で次々と抜けていき、最後の一人もいなくなると、その戸籍は「除籍」となります。この除籍を、戸籍に記載された全員分まとめて証明したものが除籍謄本です。
除籍謄本には、抜けた人それぞれの氏名・生年月日に加えて、「いつ・どんな理由で除籍したか(死亡・婚姻など)」が記録されています。そのため、亡くなった方の生涯や、家族のつながりをたどる手がかりになります。
除籍謄本と戸籍謄本・改製原戸籍の違い

混同しやすい3つの書類を整理します。どれも戸籍の写しですが、「いつの・どんな状態の戸籍か」が異なります。
| 書類 | どんな戸籍か | 主な使い道 |
|---|---|---|
| 戸籍謄本 | 今、誰かが在籍している戸籍 | 現在の家族関係の証明 |
| 除籍謄本 | 在籍者が全員抜けた戸籍 | 死亡の証明・相続・先祖調査 |
| 改製原戸籍 | 法改正で作り替えられる前の古い戸籍 | 制度変更前の記録の確認 |
戸籍謄本が「現在」を写すのに対し、除籍謄本は「全員が抜けて閉じられた」戸籍を写します。さらにさかのぼると、法改正で様式が新しくなる前の古い戸籍=改製原戸籍(かいせいげんこせき)が出てきます。相続や家系図づくりでは、これらを組み合わせて一族の流れをたどっていきます。
除籍謄本の使い道と必要になる場面|相続と家系図づくり
除籍謄本は、主に次のような場面で必要になります。
- 相続手続き — 亡くなった方の「出生から死亡まで」の戸籍をそろえて、法定相続人を確定するために使います。全員が亡くなるなどして戸籍が閉じている場合、その証明として除籍謄本が必要です(同じ戸籍に生存者が残っているうちは、死亡の記載がある戸籍謄本を使います)。
- 預貯金・不動産の名義変更 — 金融機関や法務局へ、相続人であることを示す資料として提出します。
- 年金・保険の手続き — 死亡の事実や続柄の確認に使われることがあります。
- 家系図づくり・先祖調査 — 先祖の戸籍は多くが除籍になっています。除籍謄本をたどることで、何代も前の先祖まで確認できます。
除籍謄本の取り方|窓口・郵送・広域交付の手順
除籍謄本は、その戸籍があった市区町村役場で取得します。取り方は主に次の3つで、順番に行うものではなく、状況に合った方法を選びます。
- 本籍地のある市区町村役場の窓口で、戸籍証明等請求書に記入して請求します。本人確認書類(運転免許証・マイナンバーカードなど)が必要です。
- 本籍地が遠い場合は、請求書・本人確認書類の写し・手数料分の定額小為替・返信用封筒を同封して郵送請求できます。
- 2024年3月から始まった「広域交付」を使うと、本籍地が遠くても、お近くの市区町村役場の窓口でまとめて請求できます。
手数料は、除籍謄本(除籍全部事項証明書)1通につき750円です(現在の戸籍謄本は450円)。除籍は、全員が除かれた年の翌年から150年間保存されるため、かなり古い戸籍でも残っていることが多くあります。
除籍謄本から家系図を作る方法|家系図で一般的に使われる記法で起こす
集めた除籍謄本は、そのままでは関係が読み取りにくいものです。家系図に起こすと、誰が誰の子で、どうつながっているかが一目で分かります。
戸籍を家系図に起こすときは、続柄を家系図で一般的に使われる関係線に置き換えていきます。
- 親子 — 実線で結びます。戸籍の「父」「母」「長男」「二女」などの記載が手がかりです。
- 配偶者(婚姻) — 二重線で横に結びます。「婚姻」の記載が目印です。
- 離婚(元配偶者) — 二重線に斜線を重ねた二重斜線で表します。
- 養子 — 破線で結び、実親子(実線)と区別します。「養子縁組」の記載を確認します。
亡くなった方は二重枠(故人)で表すと、誰がいつの世代かが分かりやすくなります。線の意味のくわしい解説は家系図の記号・線の意味を、戸籍の読み方は家系図の見方・読み方が参考になります。
本サイトの家系図エディタなら、実線・二重線・二重斜線・破線の関係線や、故人を表す二重枠を、選ぶだけで引けます。除籍謄本を見ながら人物を並べていけば、和紙・免許状風のテンプレートで美しい家系図に仕上げられます。登録は不要で、ブラウザですぐに使えます。
戸籍を集めた後に家系図へ起こす流れは、戸籍から家系図を作る方法・調べ方でまとめています。
家系図の作り方全体を知りたい方は、家系図の書き方完全ガイドもご覧ください。
除籍謄本を受け取ったあとの進め方
1通取れたら、そこで終わりではありません。除籍謄本は、次にどの戸籍を請求すればよいかを教えてくれる案内板でもあります。
- 「どの戸籍から入ったか」を探す — 身分事項に前の戸籍の本籍と筆頭者が書かれています。それが次に請求する戸籍です
- 保存期間の限界を意識する — 除籍の保存期間は150年です。ただし以前は80年だったため、それ以前に廃棄された戸籍は取得できません
- 出てこなかったら、そこが戸籍の終点 — 廃棄や戦災で失われている場合があります。その先は過去帳など戸籍以外の記録に切り替えます
- 取れた順ではなく世代順に並べ替える — 古いほうから並べると、親子のつながりと家督の移り方が見えてきます
除籍謄本は、相続の証明であると同時に、先祖をたどる出発点でもあります。取れた分だけでも家系図に起こしてみると、次にどこが空白なのかがはっきりします。
よくある質問
除籍謄本と戸籍謄本の違いは何ですか?
除籍謄本の手数料はいくらですか?
除籍謄本はどこで取れますか?
除籍謄本はいつまで取れますか?
除籍謄本から家系図は作れますか?
AUTHOR
家系図マニア
祖父の連絡先を探して戸籍をたどった経験から、家系図を作りはじめました。家族のつながりも、歴史上の一族や物語の関係図も、自分の手でたどれる入口にしたいと考えて個人で運営しています。行政書士・司法書士などの資格は持たないため、法的な判断が必要な場合は専門家への相談をおすすめしています。