戸籍の転籍・分籍とは?違い・手続き・家系図への影響をやさしく解説

最終更新 by 家系図マニア
戸籍家系図相続
戸籍の転籍・分籍とは?違い・手続き・家系図への影響をやさしく解説

この記事で分かること

  • 転籍とは何か(本籍を別の場所へ移すこと)
  • 分籍とは何か(親の戸籍を抜けて自分の戸籍を作ること)
  • 転籍と分籍の違い・手続きの方法と費用
  • 転籍・分籍があると戸籍集めはどう変わるか
  • 転籍・分籍があった戸籍を家系図に起こす手順

転籍は「戸籍ごと本籍を移す」手続き、分籍は「親の戸籍を抜けて自分の戸籍を作る」手続きです。転籍では戸籍に載る全員が移り元の戸籍は閉じられますが、分籍は成年で未婚の人だけが抜け、いったん分籍すると元の戸籍には戻れません。相続で戸籍をさかのぼるときや家系図を作るときは、この2つを区別しておくとつまずきません。

分籍・転籍があった家族の家系図の例
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父は結婚を機に自分を筆頭者とする新しい戸籍を作り(婚姻による新戸籍編製)、引っ越しに合わせて本籍を別の市区町村へ移しました(転籍)。叔父は成年・未婚のまま親の戸籍を抜け、自分の戸籍を作っています(分籍)。親子は実線、夫婦は二重線で結びます。

戸籍の転籍とは|本籍を別の場所へ移すこと

転籍とは、本籍(ほんせき)を別の場所に移すことです。本籍は戸籍が置かれている場所のことで、住所とは別に自由に定められます。引っ越しや「本籍を分かりやすい場所にまとめたい」といった理由で、本籍を動かすのが転籍です。

転籍をすると、移す前の戸籍は閉じられ、移した先で新しい戸籍が作られます。戸籍に記載されている全員(戸籍の筆頭者とその配偶者・子など)がまとめて移るのが基本です。

戸籍の分籍とは|親の戸籍を抜けて自分の戸籍を作ること

戸籍の転籍と分籍の違いと手続きを示す図解

分籍とは、今ある戸籍から抜けて、自分を筆頭者とする新しい戸籍を作ることです。多くは、成人した子が親の戸籍から独立するために行います。分籍ができるのは成年(18歳以上)で、まだ結婚していない人です。

結婚すると夫婦で新しい戸籍が作られるため、分籍は主に「結婚はしていないけれど、親の戸籍から独立したい」という場合に使われます。一度分籍すると、元の戸籍(親の戸籍)に戻ることはできません。

転籍と分籍の違い|目的・対象・戸籍の作られ方

混同しやすい2つを表で整理します。どちらも「新しい戸籍が作られる」点は同じですが、目的と対象が違います。

項目 転籍 分籍
目的 本籍の場所を移す 親の戸籍から独立して自分の戸籍を作る
主な対象 戸籍の筆頭者(戸籍全員が移る) 成年で未婚の人(その人だけが抜ける)
元の戸籍 閉じられる そのまま残る(抜けた人だけ除かれる)
戻れるか 再び転籍は可能 元の戸籍には戻れない

ざっくり言えば、転籍は「戸籍ごと引っ越す」、分籍は「戸籍から独立する」手続きです。転籍は本籍地が変わるだけで家族構成は変わりませんが、分籍はその人ひとりが新しい戸籍の筆頭者になります。

転籍・分籍の手続き|届出の方法と費用

どちらも市区町村役場への届出で手続きします。順番に見ていきます。

手順 1
届書を用意する
  • 転籍は「転籍届」、分籍は「分籍届」を使います。役場の窓口でもらえるほか、自治体のサイトで様式を確認できることもあります。
手順 2
必要なものをそろえる
  • 届書のほか、本人確認書類が必要です。届出先によっては戸籍謄本(戸籍全部事項証明書)の添付を求められる場合があります。事前に提出先の役場へ確認しておくと安心です。
手順 3
役場に届け出る
  • 本籍地・新しい本籍地・住所地などの市区町村役場に届け出ます。届出そのものの手数料はかかりません。郵送で受け付ける自治体もあります。

転籍届・分籍届の提出自体に手数料はかかりません。ただし、添付用に戸籍謄本を取る場合は1通450円などの手数料がかかります。届出から新しい戸籍ができあがるまでには、数日かかることがあります。

転籍・分籍があると戸籍集めはどう変わるか|相続での注意点

相続では、亡くなった方の出生から死亡までの戸籍をすべて集める必要があります。ここで転籍・分籍が「戸籍をたどる手間」を増やすことがあります。

転籍をすると、移す前の戸籍は閉じられ、新しい戸籍には「過去の記録の一部」しか引き継がれません。たとえば、すでに亡くなった人や、結婚で抜けた子の記載は、新しい戸籍には載らないことがあります。そのため、出生までさかのぼるには、転籍前の戸籍(除籍謄本・改製原戸籍)も取り寄せる必要があります。

  • 転籍が多い人ほど戸籍の数が増える — 本籍を移すたびに戸籍が変わるため、一生のあいだに何通もの戸籍を集めることになります。
  • 本籍地が各地に散らばる — 転籍先がバラバラだと、複数の市区町村に請求が必要です。
  • 分籍した人の元の戸籍も確認する — 分籍前にどんな身分事項があったかは、親の戸籍をたどると分かります。

転籍・分籍があった戸籍を家系図に起こす方法|家系図で一般的に使われる記法

集めた戸籍を家系図に起こすと、転籍・分籍で分かれた戸籍も、人と人のつながりとして一枚の図にまとまります。家系図は「戸籍(紙)」ではなく「人(血縁・婚姻)」を描くものなので、戸籍が何通に分かれていても、家系図は1つにつながります。

戸籍の続柄を、次のように家系図で一般的に使われる関係線へ置き換えていきます。

  • 親子 — 実線で結びます。分籍で戸籍が分かれても、親子は実線のままです。
  • 配偶者(婚姻) — 二重線で横に結びます。婚姻で新戸籍ができた場合の手がかりになります。
  • 離婚(元配偶者) — 二重線に斜線を重ねた二重斜線で表します。
  • 養子 — 破線で結び、実親子(実線)と区別します。

亡くなった方は二重枠(故人)で表します。線の意味のくわしい解説は家系図の記号・線の意味を、戸籍の読み解き方は家系図の見方・読み方を参考にしてください。

本サイトの家系図エディタなら、転籍や分籍で複数に分かれた戸籍を見ながら人物を並べ、実線・二重線・破線の関係線で一枚の家系図にまとめられます。登録は不要で、ブラウザですぐに使えます。

戸籍を集めた後に家系図へ起こす流れは、戸籍から家系図を作る方法・調べ方でまとめています。

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家系図の作り方全体を知りたい方は、家系図の書き方完全ガイドもご覧ください。

転籍・分籍を理解したあとにやること

転籍・分籍の仕組みが分かったら、次は自分の状況に当てはめて確認します。

  • 手元の戸籍に「転籍」「分籍」の記載がないか確認し、あれば移る前の除籍謄本・改製原戸籍も取り寄せる
  • 相続で出生からの戸籍をそろえる場合は、本籍地が複数の市区町村に散らばっていないか整理する
  • 本籍地が各地に分かれているなら、広域交付でまとめて請求できるか確認する
  • 集めた戸籍を家系図に起こし、転籍・分籍があっても親子・夫婦の関係が一枚の図でつながるようにする

転籍・分籍は戸籍の形を変える手続きですが、親子関係そのものは変わりません。戸籍が何通に分かれていても、家系図にすれば一族のつながりを一枚で見渡せます。

よくある質問

転籍と分籍の違いは何ですか?
転籍は本籍を別の場所へ移す手続きで、戸籍に載っている全員が一緒に移り、元の戸籍は閉じられます。分籍は、成年で未婚の人が親の戸籍を抜けて、自分を筆頭者とする新しい戸籍を作る手続きです。転籍は『戸籍ごと引っ越す』、分籍は『戸籍から独立する』とイメージすると分かりやすいです。
分籍をするとデメリットはありますか?
分籍をすると、元の戸籍(親の戸籍)には戻れません。また、戸籍が別になることで、親の戸籍を取得する際に追加の手続きが必要になることがあります。一方で親子関係や相続の権利は変わりません。独立した戸籍を持ちたい明確な理由がある場合に検討するとよいでしょう。
転籍や分籍の手続きに費用はかかりますか?
転籍届・分籍届の提出そのものに手数料はかかりません。ただし、届出に戸籍謄本の添付を求められる場合は、その取得に手数料(1通450円など)がかかります。提出先によって必要書類が異なるため、事前に役場へ確認すると安心です。
転籍した後でも、転籍前の戸籍は取れますか?
取れます。転籍すると移す前の戸籍は除籍として閉じられますが、除籍謄本・改製原戸籍として保存されており、150年間は取得できます。相続で出生からの戸籍を集める場合は、転籍前の本籍地で除籍謄本を請求します。本籍地が各地に散らばっている場合は、広域交付を使うとまとめて請求できます。
転籍・分籍で戸籍が分かれると、家系図は作れなくなりますか?
問題なく作れます。家系図は戸籍(紙)ではなく、人と人のつながり(血縁・婚姻)を描くものです。転籍や分籍で戸籍が何通に分かれていても、親子は実線、配偶者は二重線でつないでいけば、一枚の家系図にまとまります。家系図エディタを使うと、複数の戸籍を見ながら人物を並べるだけで作成できます。

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家系図マニア

祖父の連絡先を探して戸籍をたどった経験から、家系図を作りはじめました。家族のつながりも、歴史上の一族や物語の関係図も、自分の手でたどれる入口にしたいと考えて個人で運営しています。行政書士・司法書士などの資格は持たないため、法的な判断が必要な場合は専門家への相談をおすすめしています。