終活・相続のための家系図|相続人を整理し家族に残す作り方

この記事で分かること
- 終活・相続に家系図が役立つ理由
- 相続で使う3つの図|家系図・相続関係説明図・法定相続情報一覧図の違い
- 法定相続人を家系図で把握する方法(順位と範囲)
- 終活としての家系図|エンディングノートと一緒に残す
- 戸籍を集めて家系図を作る手順と、専門家に相談する目安
「相続に向けて、誰が相続人になるのかを整理しておきたい」「終活の一環として、家族のつながりを家系図に残したい」——家系図は、相続人の把握から家族への想いの継承まで、終活・相続のさまざまな場面で役立ちます。
同じ「家族の図」に見えても、相続では3種類が使い分けられます。手続きに出すのは相続関係説明図と法定相続情報一覧図で、家系図はその土台になる私的な記録です。この違いを先に押さえておくと、「家系図を作ったのに手続きでは使えなかった」という遠回りを避けられます。
目次
終活・相続に家系図が役立つ理由
家系図というと「ご先祖を調べる趣味」という印象があるかもしれませんが、終活・相続の実務でも大きく役立ちます。主な理由は次の3つです。
- 相続人を把握できる — 誰が相続人になるのかを、立場(続柄)とともに一目で確認できます。相続手続きの土台になります。
- 親族間で共有できる — 家族関係を一枚で見せられるため、遺産分割の話し合いや、親族への説明がスムーズになります。
- 家族への想いを残せる — ご先祖から自分、子・孫へと続くつながりを形にして、家族の歴史として残せます。終活そのものの意味を持ちます。
相続で使う3つの図|家系図・相続関係説明図・法定相続情報一覧図

相続の場面では、似たような「家族関係の図」がいくつか登場します。役割が異なるので、はじめに違いを整理しておきましょう。
| 図の種類 | 主な用途 | 特徴 |
|---|---|---|
| 家系図 | 終活・家族の記録 | 何代にもわたる家族のつながりを残す。形式は自由 |
| 相続関係説明図 | 相続手続きの補助資料 | 被相続人と相続人の関係を示す。戸籍の原本還付に使える |
| 法定相続情報一覧図 | 公的な証明書 | 法務局が内容を証明。戸籍一式の代わりに使える |
ざっくり言えば、家系図は家族の記録、相続関係説明図は手続き用の説明図、法定相続情報一覧図は法務局のお墨付きがついた公的な証明書です。終活では家族の記録としての家系図を、相続手続きでは目的に応じて相続関係説明図や法定相続情報一覧図を使い分けます。
このうち、銀行や法務局での手続きを大きく楽にしてくれる法定相続情報一覧図については、法定相続情報一覧図の作り方でくわしく解説しています。あわせてご覧ください。
法定相続人を家系図で把握する方法|順位と範囲
相続人になれる人(法定相続人)は、民法で範囲と順位が決まっています。配偶者は常に相続人となり、それに加えて血族が次の順位で相続人になります。
| 順位 | 相続人 | 補足 |
|---|---|---|
| 常に | 配偶者 | 婚姻している夫・妻。順位とは別枠で常に相続人 |
| 第1順位 | 子(直系卑属) | 子が亡くなっていれば孫が代襲相続 |
| 第2順位 | 父母(直系尊属) | 子がいない場合。父母が亡くなっていれば祖父母 |
| 第3順位 | 兄弟姉妹 | 子も父母もいない場合。甥・姪が代襲相続 |
順位は「上の順位がいれば、下の順位は相続人にならない」という仕組みです。たとえば子がいれば、父母や兄弟姉妹は相続人になりません。家系図で関係を描いておくと、この順位の判断がぐっとやさしくなります。
相続人の続柄や、いとこ・甥姪といった親族の呼び方・数え方は、親族の呼び方・続柄一覧で早見表とともに解説しています。「代襲相続」「直系・傍系」など、相続でよく出てくる言葉の確認にお使いください。
終活としての家系図|エンディングノートと一緒に残す
家系図は、相続手続きの準備であると同時に、終活そのものでもあります。ご先祖から自分、そして子・孫へと続くつながりを一枚にまとめることは、家族の歴史を未来へ手渡す行為だからです。
エンディングノートを書く方は、そこに家系図を添えておくと、残されたご家族にとって大きな助けになります。誰がどういう関係なのか、どこの家から嫁いだ・養子に入ったのか——口頭では伝えきれない家族の情報が、一枚の図で伝わります。
戸籍を集めて家系図を作る手順|終活・相続の進め方
終活・相続のための家系図は、戸籍を集めて作るのが基本です。戸籍には、相続人を確定するために必要な、出生・婚姻・養子縁組・死亡といった事実が正確に記録されているからです。
- 本人(または被相続人)を起点に、戸籍をさかのぼって集めます。2024年に始まった広域交付制度を使えば、最寄りの窓口で直系の戸籍をまとめて取れます。
- 集めた戸籍から、配偶者・子・父母・兄弟姉妹などを読み取り、順位に従って相続人を確定します。代襲相続の有無もここで確認します。
- 読み取った人物を並べ、親子(実線)・配偶者(二重線)などの関係線で結びます。終活用なら先祖まで、相続用なら相続人を中心に整理します。
- 相続人が多い、養子・離婚・数次相続が絡むなど複雑な場合は、司法書士・行政書士などの専門家に相談すると安心です。
戸籍を集めて家系図を作る具体的な手順は、戸籍から家系図を作る方法・調べ方でまとめています。広域交付の使い方は戸籍の広域交付制度を、戸籍をさかのぼる集め方は戸籍をさかのぼる集め方をあわせてご覧ください。
関係線を正しく描き分ける
家系図づくりで大切なのが、関係を正しく描き分けることです。とくに相続では、養子・離婚・婿養子といった関係が結果に影響するため、線の意味をそろえておくことが重要になります。
| 関係 | 線の種類 | 相続で見るポイント |
|---|---|---|
| 親子 | 実線 | 実子・養子ともに第1順位の相続人 |
| 配偶者(婚姻) | 二重線 | 婚姻している配偶者は常に相続人 |
| 離婚(元配偶者) | 二重斜線 | 元配偶者は相続人にならない |
| 養子 | 破線 | 養子も実子と同じく相続人になる |
本サイトの家系図エディタは、ここで挙げた関係線(実線・二重線・二重斜線・破線)をそのまま選んで引けるよう作られています。被相続人を中心に相続人を並べ、線で結ぶだけで、相続関係を一枚に整理できます。和紙・免許状風のテンプレートも用意していますので、終活の記録として仏壇に飾れる仕上がりにできます。登録は不要です。
相続が複雑なときは専門家へ相談を
家系図で相続人を整理しても、次のようなケースでは手続きが複雑になりがちです。無理にひとりで抱えず、専門家への相談を検討しましょう。
- 相続人が多い、または疎遠で連絡がつきにくい
- 養子縁組・離婚・再婚・認知などが絡む
- 相続人がすでに亡くなっていて、数次相続・代襲相続が発生している
- 不動産や事業など、分けにくい財産がある
終活・相続で次に読む記事
終活や相続で家系図を使う場合は、手続き用の整理と、家族に残す記録の両方を考えると進めやすくなります。
- エンディングノートと一緒に整理するなら、エンディングノートと家系図をご覧ください。
- 戸籍収集を専門家に任せるか迷う場合は、戸籍取得代行サービスの比較で費用と依頼先を整理しています。
- 家系図を贈り物として残したい場合は、家系図を額縁・ギフトにするが参考になります。
- 供養やお墓じまいとあわせて考える場合は、永代供養・お墓と家系図も確認しておくと安心です。
家系図は、相続を円滑にする実務の下書きであり、同時に家族の歴史を手渡す記録でもあります。相続人の確定という実務の側から入っても、家族の記録を残したいという気持ちの側から入っても、行き着く作業は同じです。まずは戸籍を集めて、分かっている範囲を一枚に置いてみてください。数次相続や養子、不動産が絡む場合は、その図を持って司法書士・行政書士に相談すると話が早く進みます。
よくある質問
相続のために家系図は必要ですか?
家系図・相続関係説明図・法定相続情報一覧図はどう違いますか?
法定相続人は誰になりますか?
養子や離婚した相手は相続人になりますか?
相続が複雑なときはどこに相談すればいいですか?
AUTHOR
家系図マニア
祖父の連絡先を探して戸籍をたどった経験から、家系図を作りはじめました。家族のつながりも、歴史上の一族や物語の関係図も、自分の手でたどれる入口にしたいと考えて個人で運営しています。行政書士・司法書士などの資格は持たないため、法的な判断が必要な場合は専門家への相談をおすすめしています。