住宅ローン申込書の続柄の書き方|連帯債務者・収入合算の記入例
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住宅ローンの申込書には、本人の欄のほかに「連帯債務者」「連帯保証人」「収入合算者」という欄が並びます。名前が似ているうえ、どの欄にも続柄を書かせるので、二人で組むローンほど記入が止まりがちです。
止まる原因は書き方ではなく、その手前にあります。この3つは負う責任も、受けられる制度も違う立場で、選べる続柄の範囲もそれぞれ違うからです。誰をどの欄に書くかが決まれば、続柄そのものは「妻」「父」といった短い言葉で足ります。
目次
続柄欄は誰から見て書くか|申込者本人が基準
住宅ローンの申込書は、ほとんどの金融機関で申込者本人から見た続柄を書く形式です。夫が主債務者で妻が連帯債務者なら、連帯債務者欄の続柄は「妻」になります。
住民票を添付する関係で、つい住民票の記載をそのまま写してしまう人がいますが、住民票の続柄は世帯主起点です。世帯主が妻になっている家では「夫」と「妻」が入れ替わります。書式ごとに起点が変わる話は書類別の続柄の書き方一覧にまとめました。
続柄欄の選択肢は、金融機関の書式によって「本人・配偶者・子・父母・その他」といったプルダウンになっていることもあります。当てはまるものがない場合は「その他」を選び、余白に「義父」「孫」など具体的な関係を書き添えるのが通例です。
連帯債務者の続柄|配偶者と直系親族が中心
連帯債務者は、主債務者と横並びで借入金の全額について返済義務を負う人です。民法は、連帯して債務を負担するとき、債権者はそのうちの一人に対して全部の履行を請求できると定めています。「半分ずつ」ではなく、二人ともが全額を背負う関係です。
誰を連帯債務者にできるかは金融機関ごとの基準ですが、【フラット35】は要件を公開しています。収入合算者は連帯債務者になることが条件なので、その要件がそのまま連帯債務者の範囲になります。
| 続柄 | 本人からの関係 | 【フラット35】での扱い |
|---|---|---|
| 妻・夫 | 配偶者 | 対象 |
| 父・母 | 直系尊属 | 同居していれば対象 |
| 子 | 直系卑属 | 同居していれば対象(親子リレー返済なら同居要件なし) |
| 祖父・祖母 | 直系尊属 | 同居していれば対象 |
| 兄・姉・弟・妹 | 傍系血族 | 本人に配偶者がいない場合に限り対象 |
| おじ・おば・いとこ | 傍系血族 | 本人が住む住宅では対象外 |
| 義父・義母 | 姻族 | 本人が住む住宅では対象外 |
要件は「申込みご本人の親、子等の直系親族または配偶者」「申込時の年齢が満70歳未満」「申込みご本人と同居する方」「連帯債務者になる方」の4つで、この全部に当てはまる人ひとりだけが合算できます。兄弟姉妹は例外的な扱いで、本人に配偶者がいない場合に限って認められます。
この表は、申込者本人が住む住宅を建てる・買う場合の話です。親や子が住むための住宅(親族居住用住宅)として申し込むときは、その家に入居できる親族の範囲と収入を合算できる人の範囲を分けて考える必要があります。
入居できる親族は、直系尊属がいなければおじ・おば・兄姉まで、直系卑属がいなければ甥・姪・弟妹まで広がります。ただし、そこまで広がるのは入居者の話です。収入合算の側は「直系親族または配偶者」という条件が残るため、おじ・おばや甥・姪は、入居する人であっても合算者にはなれません。親族居住用住宅で変わるのは、本人に配偶者・直系親族がいない場合に同居する兄弟姉妹を合算できる点と、融資対象の住宅に入居する人を合算者にする場合に本人との同居要件が外れる点です。誰のための家を買うのかで、書ける続柄が変わるということです。
収入合算者の続柄|審査上の年収を足すだけの人もいる

収入合算は、審査上の年収に合算者の収入を足して借入可能額を増やす仕組みです。【フラット35】では合算者が必ず連帯債務者になりますが、民間の金融機関には合算者を連帯保証人として扱う商品もあります。同じ「収入合算」でも、続柄欄と一緒に「連帯債務者」「連帯保証人」のどちらに丸を付けるかが変わるということです。
合算できる金額にも上限があります。機構の場合は合算者の年収の全額まで合算できますが、合算額が合算者の年収の50パーセントを超えると、借入期間が「80歳 − 申込者本人と合算者のうち年齢が高いほうの申込時年齢(1年未満は切上げ)」で計算されます。機構が挙げている例では、本人30歳・合算者55歳で年収を全額合算すると、上限が24年になります。合算者の年齢は1年未満を切り上げて56歳として扱うため、80歳から56歳を引いた24年という計算です。続柄を「父」と書くこと自体は簡単でも、その一行が返済年数を動かします。
ペアローンとの違い|申込書が2枚になる
ペアローンは、二人がそれぞれ別々の住宅ローンを契約する方法です。申込書も契約書も2本になります。互いに相手のローンの連帯保証人になる商品もあれば、連帯保証人は立てず担保提供者として関わるだけの商品もあり、ここは金融機関ごとに違います。収入合算が「1本のローンを二人で背負う」のに対し、ペアローンは「2本のローンを1軒の家に充てる」形になります。
| 項目 | 収入合算(連帯債務) | 収入合算(連帯保証) | ペアローン |
|---|---|---|---|
| 契約の本数 | 1本 | 1本 | 2本 |
| 合算者の立場 | 連帯債務者 | 連帯保証人 | それぞれが主債務者 |
| 続柄欄の記入 | 連帯債務者欄に本人から見た続柄 | 連帯保証人欄に本人から見た続柄 | 相手の申込書に連帯保証人・担保提供者として記入 |
| 住宅の持分 | 二人で持てる | 主債務者のみが一般的 | 二人で持つ |
続柄の書き方という点でいえば、ペアローンだけはお互いの申込書に相手の続柄を書き合うことになります。夫の申込書には「妻」、妻の申込書には「夫」です。同じ紙を2枚コピーしたつもりで同じ続柄を書くと、片方が誤りになります。
連帯保証人の続柄|返済義務は同じでも制度上の扱いが違う
連帯保証人は、主債務者が返済しないときに代わって返済する立場です。ふつうの保証人と違い、民法は連帯保証人について催告の抗弁権と検索の抗弁権を持たないと定めています。「先に本人に請求してほしい」と言えないので、実際の負担は連帯債務者とほとんど変わりません。
それでも制度上の扱いは大きく違います。連帯保証人は借入金の債務者ではないため、団体信用生命保険にも住宅ローン控除にも原則として関われません。自己資金を出して住宅の持分を持つことはできますが、それでもローンの債務者ではない以上、控除の対象にはなりません。この差が、続柄欄と一緒に選ぶ立場を決めるときの分かれ目になります。
| 立場 | 返済義務 | 団信の加入 | 住宅ローン控除 |
|---|---|---|---|
| 主債務者 | 全額 | 加入するのが一般的(【フラット35】は任意) | 受けられる |
| 連帯債務者 | 全額 | 商品により連生型あり | 持分と負担割合に応じて受けられる |
| 連帯保証人 | 主債務者が滞ったとき全額 | 原則加入しない | 原則受けられない |
| 収入合算のみ(保証も債務もない) | なし | なし | なし |
住宅ローン控除は、自分が住む住宅を自分の借入金で取得した人が受ける制度です。連帯保証人は借入金の債務者ではないため、続柄が「妻」であっても控除の対象にはなりません。共働きで二人とも控除を受けたい場合は、連帯債務かペアローンを選ぶことになります。
親子で組む場合の続柄|親子リレー返済の後継者は「子」
親の年齢では返済期間が足りないときに使われるのが親子リレー返済です。【フラット35】の後継者の要件は、申込者本人の子・孫等の直系卑属またはその配偶者で定期的収入のある方、申込時の年齢が満70歳未満、そして連帯債務者になること、の3つです。
連帯債務者になれるのは1名だけなので、後継者以外の人を連帯債務者に足すことはできません。後継者は借入当初から連帯債務者になるので、申込書では連帯債務者欄に「長男」「孫」などと書きます。子の配偶者を後継者にする場合の続柄は「子の配偶者」で、書式によっては「その他」を選んで注記します。
図にすると、直系のたてのつながりと、傍系である兄弟姉妹の位置の違いがはっきりします。おじ・おば、いとこ、義理の父母は直系ではないので、本人が住む住宅では候補に入りません。まず直系をたどり、そこで足りないときに例外を調べる、という順に見ていくと迷いません。
離婚したあとに残る続柄|元配偶者は自動では抜けない
住宅ローンで後から問題になりやすいのが、離婚後も元配偶者が連帯債務者や連帯保証人のまま残るケースです。離婚は夫婦の間の話であって、金融機関との契約とは別なので、届出を出しただけではその立場は消えません。
外れるには、借換えで新しいローンに組み替えるか、代わりの連帯債務者・連帯保証人を立てて金融機関の承諾を得るのが基本です。どちらも審査があり、単独の収入で返済できると認められなければ通りません。申込みの段階で「離婚したら外せる」と考えて続柄を埋めるのは危険です。
契約書の写しを開いて、いま誰がどの欄に入っているかを確かめるところから始めてください。賃貸契約で似た混同が起きる話は入居申込書・賃貸契約書の続柄の書き方でも触れています。
申込書を開く前に、家族を一枚に並べる
住宅ローンの続柄欄は、「誰と組むか」という判断の結果を短く書き写す欄です。直系か傍系か、同居しているか、何歳か、といった条件を同時に満たす人を選ぶ必要があるため、頭の中だけで候補を比べると数え違えます。
家系図エディタで家族を並べると、親子は実線、配偶者は二重線、離婚は二重斜線、養子縁組は破線で描き分けられます。直系のつながりが縦に見えるので、収入合算の候補と対象外の親族を見分けるのが早くなります。
図は借換えや繰上返済の相談でも使えます。契約書と一緒に保管しておけば、数年後に条件を見直すときの出発点になります。
AUTHOR
家系図マニア
祖父の連絡先を探して戸籍をたどった経験から、家系図を作りはじめました。家族のつながりも、歴史上の一族や物語の関係図も、自分の手でたどれる入口にしたいと考えて個人で運営しています。行政書士・司法書士などの資格は持たないため、法的な判断が必要な場合は専門家への相談をおすすめしています。