確定申告書の続柄の書き方|第一表・第二表の記入例と扶養親族の判定
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確定申告書で続柄を書く欄は、実は2か所あります。しかもこの2つは起点が逆です。第一表の「世帯主との続柄」は世帯主から見たあなたを書く欄で、第二表の「配偶者や親族に関する事項」は、あなたから見た家族を書く欄です。
同じ用紙の表と裏で基準が入れ替わるため、片方の感覚でもう片方を埋めると、あなた自身を指す欄に「妻」と書いてしまうような取り違えが起きます。まずこの違いを押さえてから、それぞれの書き方に入ります。
目次
確定申告書の続柄欄は2か所|第一表と第二表で起点が逆になる
| 欄 | 場所 | 起点 | 書く内容 |
|---|---|---|---|
| 世帯主との続柄 | 第一表 上部 | 世帯主 | 世帯主から見た申告者 |
| 配偶者や親族に関する事項 | 第二表 | 申告者本人 | 本人から見た配偶者・親族 |
第一表の欄について、国税庁の手引きは「世帯主の氏名と世帯主からみた申告をする方の続柄を記入します」と説明しています。あなたが世帯主なら、ここは「本人」です。世帯主がお父さまなら、あなたは「子」になります。
一方、第二表の欄は、扶養控除や配偶者控除を受ける家族を並べる欄です。こちらはあなたから見た関係なので、妻は「妻」、子どもは「子」、母は「母」と書きます。
この家族構成を第二表に載せると、次のようになります。
第二表「配偶者や親族に関する事項」の続柄の書き方|妻・子・母
第二表のこの欄には、氏名・マイナンバー(個人番号)・続柄・生年月日を並べて記入します。行の順番には決まりがあり、最上段の行は配偶者専用です。手引きも「最上段の行に、配偶者の氏名・マイナンバー(個人番号)・生年月日を記入します」「2行目以降に、扶養親族又は特定親族の氏名・マイナンバー(個人番号)・生年月日を記入します」としています。
続柄の書き方は、扶養控除等(異動)申告書と同じく短い言葉で足ります。
- 配偶者 → 妻/夫
- 子ども → 子(長男・長女と書いても差し支えありません)
- 自分の親 → 父/母
- 配偶者の親 → 義父/義母
- 祖父母 → 祖父/祖母
配偶者がいない場合は、最上段を空けたまま2行目から扶養親族を書きます。ただし控除額が0円でも、配偶者が同一生計配偶者でありあなたの合計所得金額が1,000万円を超えるときは、最上段への記入が必要です。控除が付かないから空欄、とはなりません。
各行の右側には、障害者・国外居住・住民税・その他といったチェック欄が並びます。ここは続柄とは別に、該当する場合だけ○や数字を入れる欄です。
第一表「世帯主との続柄」の書き方|自分が世帯主なら「本人」

第一表の上部、氏名や住所を書くブロックの中に「世帯主の氏名」「世帯主との続柄」が並んでいます。ここは所得や控除の計算とは関係なく、あなたが属する世帯を特定するための欄です。
| あなたの立場 | 世帯主の氏名 | 世帯主との続柄 |
|---|---|---|
| 自分が世帯主 | 自分の氏名 | 本人 |
| 世帯主は配偶者 | 配偶者の氏名 | 妻/夫 |
| 親と同居し、親が世帯主 | 親の氏名 | 子 |
| 単身赴任で自分だけ別世帯 | 自分の氏名 | 本人 |
判断に迷ったら住民票を見てください。この欄は住民票の「世帯主との続柄」と同じ基準なので、住民票に記載されているとおりに書けば間違いありません。同棲相手やルームシェアの相手が世帯主になっている場合など、家族以外が世帯主のケースは住民票の続柄の書き方で扱っています。
控除対象扶養親族の判定|年齢区分と控除額の早見表
第二表に書いた家族のうち、誰がいくらの控除になるかは年齢で決まります。令和7年分の区分は次のとおりです。
| 区分 | 年齢 | 控除額 |
|---|---|---|
| 一般の控除対象扶養親族 | 16歳以上19歳未満・23歳以上70歳未満 | 38万円 |
| 特定扶養親族 | 19歳以上23歳未満 | 63万円 |
| 老人扶養親族(同居老親等) | 70歳以上・直系尊属で同居 | 58万円 |
| 老人扶養親族(同居老親等以外) | 70歳以上 | 48万円 |
注意点が3つあります。
- 16歳未満の子は扶養控除の対象になりません。令和7年分でいえば平成22年1月2日以後に生まれた方が該当します。
- ひとりの親族を2人で重ねて申告することはできません。共働きで同じ子を夫婦それぞれの扶養に入れる、といった申告は認められません。
- 別居でも扶養親族になり得ます。仕送りなどで生計を一にしていれば、同居は要件ではありません。
冒頭の家系図の母は、75歳・別居・仕送りあり・所得は要件内という設定です。年齢と仕送りだけでは扶養親族になりません。生計を一にしていることに加え、合計所得金額が要件内であること、他の人の扶養親族になっていないことが必要です。これらを満たすと老人扶養親族にあたりますが、同居ではないため控除額は48万円のほうになります。同居老親等の58万円との差は10万円で、実務ではここの取り違えが多い部分です。
配偶者の欄の判定|配偶者控除と配偶者特別控除の分かれ目
配偶者は、あなたと配偶者それぞれの所得で控除額が変わります。令和7年分では、あなたの合計所得金額が900万円以下で配偶者の合計所得金額が58万円以下なら配偶者控除38万円、配偶者が58万円超95万円以下なら配偶者特別控除38万円です。
あなたの合計所得金額が1,000万円を超えると、控除額は0円になります。この場合でも配偶者が同一生計配偶者にあたるなら、第二表の住民税欄への記載は必要です。控除が付かないからといって、行ごと空欄にはしません。
配偶者が70歳以上のときは老人控除対象配偶者となり、控除額が上がります。ただしこちらもあなたの所得で変わり、令和7年分では900万円以下なら48万円、900万円超950万円以下なら32万円、950万円超1,000万円以下なら16万円、1,000万円超なら0円です。
特定親族特別控除の書き方|所得が増えた大学生の子がいる場合
令和7年分から、19歳以上23歳未満の親族について特定親族特別控除が設けられました。アルバイト収入が増えて扶養から外れた大学生のお子さんでも、所得に応じた控除が受けられます。
| 特定親族の合計所得金額 | 控除額 |
|---|---|
| 58万円超 85万円以下 | 63万円 |
| 85万円超 90万円以下 | 61万円 |
| 90万円超 95万円以下 | 51万円 |
| 95万円超 100万円以下 | 41万円 |
| 100万円超 105万円以下 | 31万円 |
| 105万円超 110万円以下 | 21万円 |
| 110万円超 115万円以下 | 11万円 |
| 115万円超 120万円以下 | 6万円 |
| 120万円超 123万円以下 | 3万円 |
第二表では、該当する行の「特親」欄に控除額を万円単位で記入します。続柄欄は通常どおり「子」です。
同じ人を配偶者特別控除と特定親族特別控除の両方の対象にすることはできません。また、その特定親族が他の納税者の対象になっている場合も適用を受けられません。
令和8年分からの改正|所得要件が58万円から62万円へ
ここまでの金額は令和7年分のものです。令和8年度税制改正により、令和8年分以後は扶養親族等の所得要件が引き上げられます。
| 区分 | 令和8年分以後 | 令和7年分 |
|---|---|---|
| 扶養親族・同一生計配偶者 | 所得62万円以下 | 所得58万円以下 |
| 給与収入に換算(令和8・9年分) | 136万円以下 | 123万円以下 |
| 特定親族 | 所得62万円超123万円以下 | 所得58万円超123万円以下 |
給与所得控除の最低保障額が65万円から74万円に引き上げられるため、給与収入に直した金額はさらに大きく動きます。ただし74万円という最低保障額は令和8年分・令和9年分の金額で、令和10年分以後は「収入金額×30%+8万円(69万円未満となる場合は69万円)」という別の計算になります。上の表の「136万円以下」も令和8・9年分の数字です。令和8年分の申告書を書くとき、手元に令和7年分の資料があると金額を見誤ります。何年分の申告かを先に確認してください。改正の内容と経過措置は扶養控除等(異動)申告書の続柄の書き方で詳しく扱っています。
記入例|四人家族と別居の母の第二表
冒頭の家系図の家族を、第二表にそのまま落とし込むとこうなります。あなたの合計所得金額は900万円以下、家族はいずれも生計を一にしており、全員が国内に居住しているものとします。
| 家族 | 続柄 | 書く行 | 扱い |
|---|---|---|---|
| 妻(所得60万円) | 妻 | 最上段 | 配偶者特別控除38万円 |
| 長男(20歳・所得70万円) | 子 | 2行目 | 特定親族特別控除63万円・「特親」欄に63と記入 |
| 長女(15歳) | 子 | 3行目 | 扶養控除なし・住民税欄に○ |
| 母(75歳・別居) | 母 | 4行目 | 老人扶養親族48万円・住民税欄に○(別居)+第二表下部にも記入 |
長女と母には、それぞれ理由の違う○が付きます。長女は16歳未満だから、母は別居しているからです。住民税欄の○は「16歳未満である場合」と「親族と別居している場合」の両方で使うため、同じ印でも意味が違います。
別居している母については、行の記入だけでは足りません。第二表下部の「別居の配偶者・親族・事業専従者の氏名・住所」欄にも氏名と住所を記入します。
なお、年末調整で申告済みの内容は第二表の記入を省略できる場合がありますが、国税庁は年末調整を受けた給与がある方であっても、同一生計配偶者と16歳未満の扶養親族については「配偶者や親族に関する事項」欄の記入を省略せず、氏名・マイナンバー・続柄・生年月日を記入するとしています。この2つは所得税の所得控除には結びつかないため控除額の欄には金額を書きませんが、住民税の判定に使われるので記入そのものは必要です。省略の扱いは年によって細かい違いがあるので、その年の手引きで確かめてください。
家系図で扶養の範囲を確かめてから申告書を書く
確定申告書の続柄欄でつまずく原因は、続柄という言葉の難しさではなく、誰を書けて誰を書けないのかがはっきりしないことにあります。年齢・所得・同居の有無・生計が一かどうかという条件が絡み合い、家族が多いほど頭の中では追いきれません。
そこで、申告書を開く前に自分を起点とした家系図を一度描いておくと判断が速くなります。誰が直系尊属で、誰が別居で、それぞれ何歳なのかが一枚で見えるようになるからです。同居老親等かどうかの判定も、線をたどれば迷いません。
当サイトの家系図エディタは、親子を実線、配偶者を二重線、養子を破線で描き分けられます。家系図で一般的に使われる書き方に沿っているので、養子縁組をした子や再婚相手の連れ子も、実際の関係のまま図にできます。翌年の申告でもそのまま使い回せます。
給与所得者の方は、確定申告の前に会社へ出す扶養控除等(異動)申告書の続柄の書き方も合わせて確認しておくと、同じ家族を2つの書類で矛盾なく書けます。書類ごとの違いは書類別の続柄の書き方一覧にまとめてあります。
AUTHOR
家系図マニア
祖父の連絡先を探して戸籍をたどった経験から、家系図を作りはじめました。家族のつながりも、歴史上の一族や物語の関係図も、自分の手でたどれる入口にしたいと考えて個人で運営しています。行政書士・司法書士などの資格は持たないため、法的な判断が必要な場合は専門家への相談をおすすめしています。