健康保険 被扶養者(異動)届の書き方|続柄欄の番号の選び方と記入例
当サイトのリンクには広告がふくまれています。

被扶養者(異動)届の用紙を前にして、続柄欄に「長男」と書こうとして手が止まる——この届書の続柄欄は、文字を書く欄ではなく、あらかじめ印刷された番号を丸で囲む欄だからです。まず、その番号の一覧を見てください。
| 番号 | 続柄 | 誰が当てはまるか |
|---|---|---|
| 1 | 実子・養子 | 被保険者の実子、養子縁組をした子 |
| 2 | 1以外の子 | 配偶者の子(連れ子)など、被保険者の子ではない子 |
| 3 | 父母・養父母 | 被保険者自身の父母・養父母 |
| 4 | 義父母 | 配偶者の父母 |
| 5 | 弟妹 | 被保険者の弟・妹 |
| 6 | 兄姉 | 被保険者の兄・姉 |
| 7 | 祖父母 | 被保険者の祖父母 |
| 8 | 曽祖父母 | 被保険者の曽祖父母 |
| 9 | 孫 | 被保険者の孫 |
| 10 | その他( ) | 上記以外の三親等内の親族。かっこ内に関係を書く |
この10区分は「C.その他の被扶養者欄」のもので、配偶者は別枠(B欄)に書きます。番号の選び分けで迷いやすいのは、実子・養子と「1以外の子」の境目、そして父母・養父母と義父母の境目です。どちらも「誰から見た親子か」で決まるので、家系図に置くとひと目で分かります。
目次
被扶養者(異動)届の続柄欄の書き方|10区分から番号を選ぶ
この届書の正式名称は「健康保険 被扶養者(異動)届/国民年金 第3号被保険者関係届」(様式コード2202)です。1枚の用紙が3つの欄に分かれています。
| 欄 | 誰について書くか | 続柄の書き方 |
|---|---|---|
| A. 被保険者欄 | 従業員本人 | 続柄欄はない |
| B. 配偶者である被扶養者欄 | 配偶者 | 「性別(続柄)」で夫・妻を選ぶ |
| C. その他の被扶養者欄 | 配偶者以外の家族 | 「続柄」で1〜10の番号を選ぶ |
C欄は同じ様式が2人分並んでいて、続柄以外にも個人番号・生年月日・同居/別居・職業・年収を記入します。続柄欄で番号を丸で囲んだら、すぐ下の住所欄で「1. 同居」「2. 別居」のどちらかも丸で囲みます。この同居・別居は、後述するとおり続柄によっては認定そのものを左右するため、続柄とセットで確認してください。
配偶者の続柄欄の書き方|B欄は「夫・妻」を丸で囲む
配偶者を被扶養者にするときは、C欄ではなくB欄(配偶者である被扶養者欄)に書きます。B欄の続柄は「性別(続柄)」という項目にまとまっていて、選ぶのは次の4つです。
- 1. 夫 — 婚姻届を出している夫
- 2. 妻 — 婚姻届を出している妻
- 3. 夫(未届) — 内縁関係にある夫
- 4. 妻(未届) — 内縁関係にある妻
内縁関係で3・4を選んだ場合は、事実婚であることを示すために両人の戸籍謄(抄)本と、被保険者の世帯全員の住民票の添付が必要で、後述する添付書類の省略も使えません。配偶者としての続柄の考え方は続柄「配偶者」の書き方で詳しく解説しています。
B欄は国民年金第3号被保険者関係届を兼ねているため、配偶者が20歳以上60歳未満のときは第3号被保険者になった日も記入します。20歳未満または60歳以上の配偶者は第3号被保険者に該当しないので、この日付欄は空欄で構いません。
続柄区分の選び分け|実子・養子と「1以外の子」の違い

C欄でいちばん間違えやすいのが、子の区分です。判断の基準は「被保険者本人と親子関係があるか」です。
- 1. 実子・養子 — 被保険者が生んだ子、および被保険者が養子縁組をした子。家系図では実子が実線、養子が破線で本人と結ばれます。
- 2. 1以外の子 — 配偶者の連れ子など、配偶者とだけ親子関係がある子。被保険者と養子縁組をしていなければ、この区分です。
連れ子と養子縁組をすると、その時点で「1. 実子・養子」に変わります。同じ子でも縁組の有無で区分が動くので、届出前に戸籍で確認しておくと確実です。子の続柄そのものの考え方は続柄「子」の書き方にまとめています。
親の区分も同じ考え方です。3. 父母・養父母は被保険者自身の父母(養父母を含む)、4. 義父母は配偶者の父母を指します。妻の父を扶養に入れるなら「4. 義父母」、自分の父なら「3. 父母・養父母」です。義理の親族をどう呼ぶかは義理の親族の呼び方で扱っています。
被扶養者(異動)届の記入例|妻・実子・連れ子・義母の続柄欄
区分の理屈だけでは手が動かないので、具体的な家族で埋めてみます。次の家族構成を想定します。
- 被保険者:山田太郎さん(会社員・男性)
- 妻:花子さん(同居/パート収入 年間100万円)
- 長男:一郎さん(太郎さんの実子・同居)
- 二郎さん:花子さんの連れ子。太郎さんとは養子縁組をしていない(同居)
- 義母:花子さんの母・みどりさん(同居/年金収入 年間80万円・65歳)
この4人を同時に扶養に入れるとき、続柄まわりの記入は次のようになります。
| 対象 | 書く欄 | 続柄欄で丸を付ける番号 | 同居・別居 |
|---|---|---|---|
| 花子さん(妻) | B欄 | 性別(続柄)の「2. 妻」 | ― |
| 一郎さん(実子) | C欄 1人目 | 続柄の「1」(実子・養子) | 「1. 同居」 |
| 二郎さん(連れ子) | C欄 2人目 | 続柄の「2」(1以外の子) | 「1. 同居」 |
| みどりさん(義母) | C欄(2枚目) | 続柄の「4」(義父母) | 「1. 同居」 |
ここで押さえておきたいのが3点です。ひとつめは、一郎さんと二郎さんが同じ家に住む同い年の兄弟であっても番号が違うこと。太郎さんと親子関係があるのは一郎さんだけだからです。ふたつめは、みどりさんが「3. 父母・養父母」ではなく「4. 義父母」になること。太郎さんから見れば妻の母だからです。みっつめは、C欄が1枚に2人分しかないため、3人目以降は用紙を追加することです。
なお二郎さんは「2. 1以外の子」なので、次の節で見るとおり同居が認定の要件になります。この家族は全員同居なので問題ありませんが、二郎さんだけが進学で別居している場合は認定されません。
続柄で変わる被扶養者の範囲|同居が必要な人・不要な人
日本年金機構の案内によれば、被扶養者になれるのは原則として日本国内に住所(住民票)がある三親等内の親族で、主として被保険者の収入で生計を維持している75歳未満の方です(海外に住んでいても、留学や海外赴任の同行家族などの海外特例要件に当てはまれば認定される場合があります)。そのうえで、続柄によって同居(同一世帯)が要るかどうかが変わります。
| 同居の要否 | 対象となる続柄 | 届書での続柄番号 |
|---|---|---|
| 同居していなくてもよい | 配偶者、子、孫、兄弟姉妹、父母・祖父母などの直系尊属 | B欄/1・3・5・6・7・8・9 |
| 同居が必要 | 上記以外の三親等内の親族(配偶者の連れ子、義父母、おじ・おば、甥・姪とその配偶者など)、内縁の配偶者の父母・子 | 2・4・10 |
たとえば別居している実の母(3. 父母・養父母)は直系尊属なので同居していなくても認定されますが、配偶者の父母(4. 義父母)は同居が要件です。同じ「親」でも扱いが違います。配偶者の連れ子(2. 1以外の子)も被保険者自身の子ではないため、同居が必要になります。続柄番号の選択と同居・別居の丸囲みは、必ずセットで確認してください。三親等の数え方は三親等とは、親等の数え方は親等の数え方で図解しています。
収入の要件は、年間収入が130万円未満(60歳以上または障害厚生年金を受けられる程度の障害者は180万円未満)で、同居なら被保険者の年間収入の2分の1未満、別居なら被保険者からの仕送り額より少ないことが目安です。2分の1を超えていても、被保険者の収入で生計を維持していると認められれば認定される場合があり、最終的には保険者の総合的な判断になります。別居で届け出るときは、1回あたりの仕送り額を備考欄に書き、通帳のコピーなど仕送りの事実が分かる書類を添えます(16歳未満の方と16歳以上の学生は不要)。
なお、ここでいう年間収入は過去の実績ではなくこれから先1年間の見込み額です。パート・アルバイトで働く家族なら、労働契約書に書かれた時給・所定労働時間から見込み額を計算します。契約内容が変わって恒常的に130万円(150万円)以上になる見込みになった時点で、被扶養者から外す届出が必要です。
なお日本年金機構のお知らせでは、19歳以上23歳未満(配偶者を除く)について、扶養認定日が令和7年10月1日以降であれば収入要件が150万円未満に引き上げられています。学生の子やきょうだいを扶養に入れるときは、この基準で判定してください。
続柄の確認書類|戸籍謄本・住民票と「続柄確認済み」欄
続柄欄で番号を選んだら、その続柄を裏づける書類が必要になります。原則は次のいずれかです。
- 戸籍謄(抄)本 — 提出日から90日以内に発行されたもの。コピー不可、個人番号の記載がないもの
- 住民票の写し — 同じく90日以内。ただし被保険者と同一世帯で、被保険者が世帯主である場合に限る
別居の親やきょうだいは住民票では続柄を証明できないため、戸籍謄本が必要になります。どの書類で何を証明できるかは続柄を証明する書類で整理しています。
ただし、被保険者と被扶養者の双方の個人番号を届書に記入し、事業主が上記書類で続柄を確認して備考欄の「※続柄確認済み」にチェックを付ければ、添付は不要です(内縁関係を除く)。人事・総務の実務では、この事業主確認を使って添付書類を減らすのが一般的です。
被扶養者(異動)届の提出期限と提出先|5日以内に事業主経由で
家族を扶養に入れる(認定・追加する)届出の提出期限は、日本年金機構の案内では事実が発生してから5日以内です。一方、被扶養者から外す(削除・非該当)届出の提出時期は「その都度」とされています。いずれも被保険者が事業主を経由して届け出ます。
協会けんぽの加入者であれば、提出先は事務センターまたは管轄の年金事務所で、電子申請・郵送・窓口持参のいずれでも受け付けられます。健康保険組合に加入している場合は、その組合の様式と提出先に従ってください。
「事実の発生」とは、出生・婚姻・退職・収入減など、被扶養者になった原因が起きた日です。被保険者の資格取得と同時に届け出るときは、資格取得年月日と同じ日付を記入します。
続柄欄でつまずきやすい点|提出前に確認したい4つ
提出前に、次の4点をひととおり確認しておくと差し戻しを防げます。
- 続柄を文字で書いてしまう — C欄は番号を丸で囲む欄です。「長男」「義母」と書き足す必要はありません。
- 配偶者をC欄に書いてしまう — 配偶者はB欄です。C欄に書くと第3号被保険者の届出が漏れます。
- 同居・別居の丸囲みを忘れる — 義父母やおじ・おばなど、同居が認定要件になる続柄では判定そのものができません。
- 配偶者以外を扶養に入れるのに配偶者の年収を書いていない — 配偶者が被扶養者でない場合、どちらの被扶養者にするのが適正かを確認するため、配偶者の年間収入を記入する欄があります。
家系図で続柄を整理してから書く|三親等内の親族を図で確認
続柄欄でつまずくのは、続柄の言葉を知らないからではなく、被保険者から見た関係が頭の中で整理できていないためです。届書を書く前に家族の位置関係を一枚の図にしておくと、番号選びも同居要件の判定も迷いません。
- 被保険者を中心に置く — 届書はすべて被保険者から見た続柄です。誰を中心に見ているかがはっきりすれば、区分の迷いはかなり減ります。
- 実子と養子を線で描き分ける — 実子は実線、養子は破線。「1. 実子・養子」と「2. 1以外の子」の境目が視覚的に分かります。
- 自分の親と配偶者の親を左右に分ける — 「3. 父母・養父母」と「4. 義父母」の取り違えがなくなります。
本サイトの家系図エディタは、親子線(実線)・配偶者線(二重線)・養子線(破線)を選んで家族を結べます。登録不要でブラウザからすぐ使えるので、届書を書く前の下書きとしても、扶養に入れる範囲を家族に説明する資料としても使えます。
被扶養者(異動)届の続柄欄は、番号の一覧さえ押さえてしまえば迷う場所ではありません。難しいのはむしろ、その番号ごとに同居要件や添付書類が変わる点です。手元の家族関係を先に図で整理し、「誰から見た関係か」を確かめてから丸を付けてください。
よくある質問
被扶養者(異動)届の続柄欄に「長男」と書いてもいいですか?
配偶者の連れ子はどの続柄を選びますか?
妻の父を扶養に入れるとき、続柄は「3. 父母・養父母」ですか?
続柄の確認書類は必ず添付が必要ですか?
別居している親でも被扶養者にできますか?
被扶養者(異動)届はいつまでに提出しますか?
AUTHOR
家系図マニア
祖父の連絡先を探して戸籍をたどった経験から、家系図を作りはじめました。家族のつながりも、歴史上の一族や物語の関係図も、自分の手でたどれる入口にしたいと考えて個人で運営しています。行政書士・司法書士などの資格は持たないため、法的な判断が必要な場合は専門家への相談をおすすめしています。