扶養控除等(異動)申告書の続柄の書き方|令和8年分の記入例と扶養親族の範囲

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扶養控除等(異動)申告書の続柄の書き方|令和8年分の記入例と扶養親族の範囲

年末が近づくと会社から配られる「給与所得者の扶養控除等(異動)申告書」。氏名と住所を書いたあと、家族の欄で手が止まる方が多いようです。この申告書の続柄欄は、番号を選ぶ方式ではなく、文字で書き込む欄です。国税庁の記載例でも「本人」「子」「父」といった短い言葉が使われています。

記入する欄 続柄欄の書き方 誰を書くか
A 源泉控除対象配偶者 妻/夫 生計を一にする配偶者(所得の条件あり)
B 源泉控除対象親族 子/父/母/祖母 など 16歳以上の控除対象扶養親族と特定親族
住民税に関する事項 子 など 16歳未満の扶養親族

つまり「長男」「二男」と細かく書き分けなくても、あなたから見た関係がひと言で分かれば通ります。実務では「子」で足りますが、お子さんが複数いる場合に「長男」「二男」と書いても差し支えありません。迷いの本体は続柄そのものより、誰をどの欄に書くのかにあります。まず、その対応を家系図で見てください。

扶養控除等(異動)申告書のどの欄に誰を書くかを家系図で整理
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あなたを起点に、妻はA欄、16歳以上の子と70歳以上の父はB欄、14歳の長女は住民税に関する事項へ。二男のようにアルバイト収入が増えた大学生は、同じB欄でも「特定親族」の扱いになります。

扶養控除等(異動)申告書の続柄欄の書き方|「妻」「子」「父」と書く

正式名称は「給与所得者の扶養控除等(異動)申告書」で、根拠は所得税法第194条です。個人住民税の「給与所得者の扶養親族申告書」と統合された1枚の様式になっているため、所得税と住民税の両方の情報をこの用紙で申告することになります。

続柄欄の見出しは「あなたとの続柄」です。「あなた」とは申告書を書いている本人、つまり給与を受け取る人を指します。したがって、書く言葉はすべて本人から見た関係になります。

  • 配偶者 → 妻/夫
  • 子ども → 子(長男・二男・長女と書いてもよい)
  • 自分の親 → 父/母
  • 配偶者の親 → 義父/義母
  • 自分の祖父母 → 祖父/祖母

「世帯主との続柄」を書く住民票や転入届とは基準が違う点に注意してください。住民票では世帯主が起点ですが、この申告書では常に申告者本人が起点です。世帯主がお父さまでも、申告書には「父」と書きます。

令和8年分の変更点|B欄が「源泉控除対象親族」になった

令和8年分の申告書では、B欄の記載事項が「控除対象扶養親族」から「源泉控除対象親族」に改められました。名前が変わっただけでなく、書く対象が広がっています。

区分 B欄に書く人
控除対象扶養親族 16歳以上の扶養親族
特定親族 19歳以上23歳未満で、扶養親族の所得要件を超えるが所得100万円以下の親族

特定親族は令和7年度の税制改正で新設された区分です。アルバイト収入が増えて扶養から外れた大学生のお子さんでも、一定の範囲なら控除が受けられるようになりました。従来なら書く欄がなかった人が、B欄に載るようになったという理解で差し支えありません。

令和8年12月1日の改正|所得要件が58万円以下から62万円以下へ

扶養控除等(異動)申告書の続柄|家系図で見る扶養親族の範囲イメージ

ここが令和8年分でもっとも間違えやすい部分です。令和8年度税制改正により、扶養親族等の所得要件が令和8年12月1日から引き上げられました

区分 改正後(令和8年12月1日〜) 改正前
扶養親族・同一生計配偶者 所得62万円以下(給与収入136万円以下) 所得58万円以下(給与収入123万円以下)
特定親族(税法上の対象範囲) 所得62万円超123万円以下(給与収入136万円超197万円以下) 所得58万円超123万円以下
勤労学生 所得89万円以下(給与収入163万円以下) 所得85万円以下

表の「特定親族」は税法上の対象範囲で、年末調整で特定親族特別控除を受けられる人の全体です。このうちB欄(源泉控除対象親族)に書けるのは、合計所得金額が100万円以下の人に限られます。所得が100万円を超えて123万円以下の特定親族は、B欄には書かず、年末調整のときに「給与所得者の特定親族特別控除申告書」で申告します。

給与所得控除の最低保障額が65万円から74万円に引き上げられたため、給与収入に換算した金額はさらに大きく動いています。ただし括弧内の給与収入の金額は、最低保障額74万円が適用される令和8年分・令和9年分のものです。令和10年分以後は給与所得控除の計算式そのものが変わるため、同じ所得でも給与収入の目安はずれます。

実務で押さえておきたいのは次の3点です。

  1. 令和8年分の申告書に記載する事項そのものに変更はありません。様式はそのまま使います。
  2. この改正で新たに扶養控除等の対象になった家族がいる場合は、申告書を出し直します。そのとき「異動月日及び事由」欄に「令和8年12月1日 改正」などと記載します。
  3. 様式の裏面の注意事項が改正前の内容のままになっている場合があります。裏面の金額を見て判断すると誤ることがあります。

提出の期限は、原則として令和8年12月1日以後最初に給与の支払を受ける日の前日までですが、年末調整を行う時までに提出があれば、その申告に基づいて年末調整ができます。所得が58万円を少し超えて扶養から外れていたご家族が、62万円以下におさまって扶養に戻るケースが該当します。

なお、すでにB欄へ「特定親族」として書いていたお子さんが、この改正で控除対象扶養親族(特定扶養親族)に該当することになる場合もあります。この場合も異動があった旨を記載した申告書の提出が必要です。

A欄 源泉控除対象配偶者の続柄|「妻」「夫」と所得の条件

A欄に配偶者を書けるのは、次の2つを両方満たす場合です。

  1. あなたの合計所得金額の見積額が900万円以下であること
  2. 配偶者の合計所得金額の見積額が95万円以下であること(令和8年分・令和9年分で給与だけなら年収169万円以下)

続柄欄には「妻」または「夫」と書きます。青色事業専従者として給与を受けている方や白色事業専従者は、生計を一にしていてもここには書けません。

ここでいう配偶者は源泉控除対象配偶者で、毎月の源泉徴収で扶養親族等の数に含める人を指します。前の章の表に出てきた同一生計配偶者(所得62万円以下)は障害者控除などの判定に使う別の区分で、所得の線引きが違います。数字が食い違って見えるのは、どちらの区分の話かが違うためです。

条件から外れる場合、A欄は空欄のままで構いません。ただし年末調整で配偶者控除・配偶者特別控除を受けるには、A欄の記載の有無にかかわらず「給与所得者の配偶者控除等申告書」の提出が別途必要です。この申告書だけで完結しない点は見落とされがちです。

B欄 源泉控除対象親族の続柄|16歳以上の子・親・祖父母

B欄には16歳以上の扶養親族と、19歳以上23歳未満の特定親族を書きます。続柄欄は「子」「父」「母」「祖母」といった書き方です。

同じB欄でも、年齢と所得によってチェックする項目が変わります。

区分 年齢・所得 申告書での扱い
一般の控除対象扶養親族 16歳以上 チェック不要
特定扶養親族 19歳以上23歳未満・所得要件内 「特定扶養親族」にチェック
特定親族 19歳以上23歳未満・所得要件超〜100万円以下 「特定親族」にチェック
同居老親等 70歳以上・直系尊属で同居 「同居老親等」にチェック
その他の老人扶養親族 70歳以上・上記以外 「その他」にチェック

同居老親等は、あなたまたは配偶者の直系尊属で、どちらかと同居を常況としている人が対象です。父母・祖父母は直系尊属にあたりますが、おじ・おばは傍系なので同居していても該当しません。

特定親族について、ひとつ注意点があります。特定親族は扶養親族には該当しません。そのため、その方が障害者手帳をお持ちでも、あなたの障害者控除の対象にはなりません。名前が似ているため混同しやすい部分です。

扶養親族の範囲|六親等内の血族と三親等内の姻族

そもそも「親族」とは誰までを指すのか。扶養親族の対象になるのは六親等内の血族と三親等内の姻族で、これに里子と養護を委託された老人が加わります。

親等 血族 姻族
一親等 父母・子 配偶者の父母・子の配偶者
二親等 祖父母・兄弟姉妹・孫 配偶者の祖父母・兄弟姉妹、兄弟姉妹の配偶者
三親等 曽祖父母・おじおば・甥姪・曽孫 配偶者のおじおば・甥姪
四親等以降 いとこ(四親等)・はとこ(六親等)まで 対象外

血族には、養子縁組によって生じた法定血族も含まれます。養子は実子と同じく一親等の血族です。

範囲はかなり広く、実務で問題になるのは親等より「生計を一にしているか」のほうです。同居していれば原則として生計を一にしていると扱われますし、別居でも仕送りなどで生活費を送っていれば該当します。単身赴任中の家族や、下宿している学生のお子さんも対象です。

親等の数え方があいまいな方は、続柄と親等の一覧図で自分を起点に数え直すと早く整理できます。義理の関係の呼び方は義理の親族の呼び方にまとめました。

記入例|妻・長男・二男・父・長女をどの欄に書くか

冒頭の家系図の家族構成を、実際に申告書へ落とし込むとこうなります。前提として、本人の合計所得金額の見積額は900万円以下、家族はいずれも本人と生計を一にしており、二男以外は扶養親族の所得要件におさまっているものとします。

家族 続柄欄 書く欄 判断の理由
妻(パート年収140万円) A欄 所得95万円以下(令和8年分は年収169万円以下)に収まる
長男(18歳・高校生) B欄 16歳以上の控除対象扶養親族
二男(20歳・所得70万円) B欄 19〜23歳未満で所得要件超・100万円以下=特定親族
父(72歳・同居) B欄 直系尊属で同居=同居老親等
長女(14歳) 住民税欄 16歳未満は所得税の控除対象外

長女を書き忘れる方が目立ちます。16歳未満は所得税の扶養控除の対象外ですが、住民税の非課税判定に使われるため、住民税に関する事項の欄への記載が必要です。ここが空欄だと住民税が本来より高くなる場合があります。

なお、この二男は所得70万円なので、改正前後どちらの基準でも特定親族にあたります。所得が58万円台から62万円台のご家族がいる場合は、前の章の改正を確認してください。

続柄で迷いやすい場面|連れ子・養子・内縁

日常の呼び方と申告書の書き方がずれる場面を挙げておきます。いずれも、生計を一にしていることと所得要件を満たすことが前提です。

  • 再婚相手の連れ子:養子縁組をしていれば一親等の血族で「子」と書きます。縁組をしていない場合は続柄欄に「妻の子」「夫の子」と書きます。配偶者の子はあなたの一親等の姻族にあたるため、要件を満たせば扶養親族として申告できます。
  • 養子:続柄欄は「子」で構いません。家系図では実子を実線、養子を破線で描き分けますが、申告書では区別しません。
  • 内縁の配偶者:法律上の婚姻関係がないため、A欄には書けません。所得税の配偶者控除は戸籍上の婚姻が前提です。
  • 離婚した元配偶者との子:親権がなくても、養育費を継続的に支払って生計を一にしていれば扶養親族になり得ます。ただし元配偶者と重複して申告することはできません。

連れ子や養子の家族関係は、言葉だけで説明すると込み入ります。続柄「子」の書き方で、実子・養子・連れ子の違いを図で整理しています。

提出時期と提出先|最初の給与日の前日まで、会社へ

提出期限はその年の最初に給与の支払を受ける日の前日までです。中途入社の場合は、就職後最初の給与日の前日までになります。実務上は、前年の年末調整のときに翌年分をまとめて配られることがほとんどです。

提出先は税務署ではなく給与の支払者、つまり勤務先です。本来は勤務先を経由して税務署長と市区町村長に提出するものですが、税務署から特に求められた場合を除いて、会社が保管しておけばよいことになっています。

年の途中で結婚・出産・離婚・扶養家族の就職などがあった場合は、異動があった日以後、最初の給与日の前日までに異動内容を記載した申告書を出し直します。「(異動)」という言葉が名前に入っているのはこのためです。

なお、2か所以上から給与を受けている場合、この申告書を出せるのはそのうち1か所だけです。

家系図で家族関係を整理してから書く

扶養控除等(異動)申告書でつまずく原因は、続柄という言葉そのものより、家族の誰がどの区分に当てはまるかが頭の中で整理されていないことにあります。年齢・所得・同居の有無・血族か姻族かという4つの条件が絡むため、名前を並べただけの表では追いきれません。

一度、自分を起点にした家系図を描いてみると判断が早くなります。誰と誰が親子で、誰が配偶者側の家族なのかが線で見えると、直系尊属かどうか、何親等かがそのまま読み取れるからです。

当サイトの家系図エディタは、親子を実線、配偶者を二重線、養子を破線で描き分けられます。家系図で一般的に使われる書き方に沿っているので、養子縁組をした子や再婚相手の連れ子といった関係も、実際の家族構成のまま図にできます。書類のたびに家族構成を思い出すより、一枚作っておいたほうが結局は早く済みます。

書類ごとの続柄の書き方は書類別の続柄の書き方一覧にまとめてあります。健康保険の手続きが並行して必要な方は、番号で選ぶ方式の健康保険 被扶養者(異動)届の書き方も合わせて確認しておくと、書き方の違いに戸惑わずに済みます。

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祖父の連絡先を探して戸籍をたどった経験から、家系図を作りはじめました。家族のつながりも、歴史上の一族や物語の関係図も、自分の手でたどれる入口にしたいと考えて個人で運営しています。行政書士・司法書士などの資格は持たないため、法的な判断が必要な場合は専門家への相談をおすすめしています。