死亡届の届出人・続柄の書き方|記入例と届出できる人の範囲

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死亡届の届出人・続柄の書き方|記入例と届出できる人の範囲

病院で医師から一枚の用紙を渡されて、右半分が死亡診断書、左半分が死亡届になっていると気づく。多くの人にとって、死亡届を初めてきちんと見るのはこの瞬間です。

そして左半分の下のほうに、届出人の資格を示す欄があります。親族なのか、同居者なのか、家主なのかという区分を前にして、自分がどれにあたるのかで迷う。ここは好みで選ぶものではなく、戸籍法が定めた範囲のどこに自分が入るかを示す欄です。

死亡届の届出人|署名する人と窓口へ行く人は別

最初に整理しておきたいのは、届出人とは届書に署名して届け出る立場の人だということです。書類を市区町村の窓口まで運ぶ人と同じである必要はありません。

実際には、葬儀を担う会社が届書を預かって窓口に提出し、火葬許可証を受け取ってくるという段取りになることが多くあります。それでも届出人の欄に名前が入るのは、資格を持つ親族などの側です。

つまり、この欄で決めるのは「誰が動くか」ではなく「誰の名前で届け出るか」です。ここを取り違えると、資格のない人が署名してしまい、書き直しになります。

届出人になれる人の範囲|戸籍法が定める順序と例外

戸籍法は、死亡の届出をしなければならない人を、次の順序で並べています。

順序 届出をしなければならない人 具体例
第一 同居の親族 一緒に暮らしていた配偶者・子・親
第二 その他の同居者 親族ではないが同居していた人
第三 家主、地主又は家屋若しくは土地の管理人 借家の家主、施設の建物管理者

ここで大事なのは、条文に「ただし、順序にかかわらず届出をすることができる」と続いている点です。同居の親族がいるからといって、その人が済ませるまで他の人が動けないわけではありません。順序は義務の重さの並びであって、受付の優先順位ではないのです。

さらに戸籍法は、届出を「することができる」人として、同居の親族以外の親族、後見人、保佐人、補助人、任意後見人及び任意後見受任者を挙げています。こちらは義務ではなく権限です。別居の子や兄弟姉妹、後見人が届け出ても、まったく問題ありません。

届出人の資格欄|同居しているかどうかで書き分ける

死亡届の続柄|家系図で見る届出人の範囲イメージ

資格の区分が「同居の親族」と、それ以外の親族とに分かれるのは、この条文の構造をそのまま反映したものです。親族かどうか同居していたかどうかという二つの軸で、自分の位置が決まります。

死亡届の届出人になれる人(同居・別居で分かれる)
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同居していた母と長男は「同居の親族」、家を出ている長女と孫は「同居していない親族」にあたります。どちらの立場でも死亡届は出せますが、資格欄の選択が変わります。

図の家族でいえば、亡くなった父と同じ家で暮らしていた母と長男は「同居の親族」です。結婚して別の家に住む長女と、その子である孫は「同居していない親族」になります。

同居していたかどうかは、住民票の世帯が同じかどうかだけで決まるものではなく、実際に生活をともにしていたかどうかが問われます。二世帯住宅や、施設に入っていた親を家族が支えていた場合など、判断に迷う住み方であれば、届出先の市区町村に事情を伝えて確認するのが確実です。

続柄はどこに書くのか|資格の選択が続柄の代わりになる

「死亡届の続柄の書き方」を調べていて拍子抜けするのが、この点です。死亡届の届出人欄は資格を選ぶ形になっていて、妻・子といった続柄を文字で書き込む欄が用意されているとは限りません。戸籍法が並べているのも、同居の親族・その他の同居者・家主等、そして同居の親族以外の親族・後見人・保佐人・補助人・任意後見人・任意後見受任者という資格の区分であって、続柄そのものではありません。

とはいえ、続柄を答える場面がなくなるわけではありません。窓口で故人との関係を確認されることはありますし、続柄を書かせる自治体もあります。たとえば仙台市は、死亡届の「その他」欄に埋火葬許可に必要な事項を書けば埋火葬許可申請書とみなす扱いをとっており、その記入例として「死亡者との続柄 妻、長男の二女 等」を挙げています。

ここで目を引くのが「長男の二女」という書き方です。住民票が孫を「子の子」とまとめるのに対し、こちらは誰の何番目の子かまで示す形になっています。故人との関係ごとに、資格の区分と、続柄を求められたときの書き方を並べておきます。

故人との関係 続柄としての書き方 資格の区分
夫が亡くなり妻が届け出る 同居していれば同居の親族
子が届け出る 子・長男・二女など 同居の有無で区分が分かれる
親が届け出る 父・母 同居の有無で区分が分かれる
子の配偶者が届け出る 子の妻・長男の妻など 同居の有無で区分が分かれる
兄弟姉妹が届け出る 兄・弟・姉・妹 同居の有無で区分が分かれる
同居していた親族でない人 同居人 同居者を選ぶ

子の書き方が「子」で足りるのか「長男」「二女」まで求められるのかは、自治体の案内によって変わります。戸籍や住民票の感覚で「子」とだけ書いて足りることもあれば、仙台市のように生まれた順を含む呼び方を例示している自治体もあるということです。届出先の記入例に目を通すのがいちばん確実で、迷ったら窓口でそのまま尋ねてかまいません。

子の配偶者にあたる人も親族に含まれるため、届出人になれます。義理の関係を言葉にするときの迷いは喪中はがきの続柄の書き方と重なる部分が多く、同じ時期にどちらも考えることになります。

書類ごとに続柄の基準が変わる点は書類別の続柄の書き方一覧にまとめています。住民票が世帯主を基準にするのに対し、死亡にまつわる書類は亡くなった本人を基準にする、という違いを押さえておくと迷いません。

届出の期限と届出地|7日以内・本籍地/所在地/死亡地

死亡の届出は、死亡の事実を知った日から7日以内にしなければならないと定められています。国外で死亡があったときは、その事実を知った日から3か月以内です。起算点が死亡した日ではなく「知った日」であることは、離れて暮らす家族が後から知らされる場合に効いてきます。

届出先は、故人の本籍地または届出人の所在地に加えて、死亡地でも構いません。旅行先や入院先で亡くなった場合に、その土地の役所で出せるのはこの規定によります。死亡地が明らかでないときは死体が最初に発見された地で、交通機関の中で亡くなったときは死体を降ろした地で届け出ることもできます。

正当な理由がなくて期間内にすべき届出をしない場合には、5万円以下の過料という定めがあります。もっとも実務では、火葬の日程が決まっている以上、期限を意識しないうちに提出することがほとんどです。

添付する書類|死亡診断書と、それが得られないとき

届書には死亡の年月日時分と場所などを記載し、診断書又は検案書を添付します。病院で亡くなれば死亡診断書、事故や自宅での死亡で警察が関わった場合は死体検案書になります。

やむを得ない事情で診断書も検案書も得られないときは、死亡の事実を証明する書面をもって代えることができます。この場合は、診断書等を得られない事由を届書に書き添えることになります。

一枚の用紙で左右に分かれているため、右半分の診断書は原本を提出することになります。生命保険の請求などで写しが必要になるので、提出する前にコピーを数枚とっておくと後の手続きが楽です。

火葬許可証まで一続き|死亡届を出すと何が返ってくるか

死亡届が受理されると、そのまま火葬許可の流れにつながります。墓地、埋葬等に関する法律は、埋葬・火葬を行おうとする人は市町村長の許可を受けなければならないとし、その許可は死亡の届出を受理した市町村長が行うと定めています。許可を与えるときには火葬許可証などが交付されます。

そして火葬は、死亡から24時間を経過した後でなければ行えません。墓地の管理者は許可証を受け取った後でなければ埋葬や焼骨の埋蔵をさせてはならない、という定めもあります。届出から火葬、納骨までが一本の線でつながっているわけです。

死亡届を急ぐ理由は、この先に葬儀の日程が控えているからです。届出人の資格で迷って一日止まると、その分だけ後ろがずれていきます。

病院や施設で亡くなったとき|公設所の長が届け出る場合

病院や刑事施設など、条文が「公設所」と呼ぶ場所で亡くなった場合について、戸籍法は特別な受け皿を用意しています。届出をすべき人が届出をすることができないときは、公設所の長又は管理人が届出をしなければならないという規定が、死亡の届出に準用されているためです。

身寄りのない人が亡くなったときに手続きが止まらないのは、この仕組みがあるからです。届出人の候補が誰もいない、あるいは連絡がつかないという事態でも、行き止まりにはなりません。

家族がいる通常の場面では、この規定が出てくることはまずありません。ただ、遠方の施設に入っていた親族が亡くなったという連絡を受けたときに、施設側が届出まで担う場合があると知っておくと、話が早く進みます。

このとき、施設側がどの資格で届け出るかは施設の性格によって変わります。民間の老人ホームなどで施設の管理者が届け出る場合は、公設所の長ではなく「家屋の管理人」として、先ほどの届出義務者の第三順位にあたる立場での届出です。届書の資格欄でどこに丸を付けるかが変わるので、施設に任せる場合も一度確かめておくと安心です。

死亡届のあと|相続手続きの起点になる日

死亡届は、その後に続く手続きの起点でもあります。年金や健康保険の資格喪失、公共料金の名義変更、そして相続。順番に片づけていくことになります。

相続については、相続の開始を知った時から3か月という区切りがあり、その間に単純承認・限定承認・放棄のいずれかを選ぶことになります。負債の有無が分からないまま日が過ぎると、この期間だけが減っていきます。期限の全体像は相続手続きの全体像と必要書類で整理しました。

相続の場面では、誰が相続人かを示すために故人の出生から死亡までの戸籍をたどることになります。相続に家系図は必要かで触れたとおり、集めた戸籍を家系図の形に置き換えておくと、金融機関ごとの説明が一度で済みます。

届出人を決める前に、家族の並びを一枚にする

死亡届の届出人欄は、故人を中心に家族がどう並んでいたかを、数文字に置き換える欄です。同居していた人、家を出ている人、義理の関係にある人。慌ただしい数日のなかで頭だけで整理しようとすると、資格の選択で手が止まります。

家系図エディタで家族を並べると、親子は実線、配偶者は二重線、離婚は二重斜線、養子縁組は破線で描き分けられます。故人を中心に置いて眺めれば、誰が同居の親族で、誰が同居していない親族かが位置から読み取れます。

この図は、そのまま相続人の確認にも使えます。死亡届を出した日から先の手続きが長く続くことを思えば、最初に一枚描いておく手間は十分に見合います。

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祖父の連絡先を探して戸籍をたどった経験から、家系図を作りはじめました。家族のつながりも、歴史上の一族や物語の関係図も、自分の手でたどれる入口にしたいと考えて個人で運営しています。行政書士・司法書士などの資格は持たないため、法的な判断が必要な場合は専門家への相談をおすすめしています。